柴苓湯について
https://www.kampo-s.jp/web_magazine/back_number/344/pharmacist-344.htm
森田真樹子先生
京都大学医学部附属病院薬剤部 / 妊婦授乳婦薬物療法認定薬剤師
妊婦にも使用される漢方薬から、
今回は、産前・産後のむくみによく用いられる柴苓湯を取り上げます。
柴苓湯は、小柴胡湯と五苓散の合剤で、
それぞれの方剤名から1文字ずつとって柴苓湯と命名されました。
柴苓湯の構成生薬
サイコ、タクシャ、ハンゲ、オウゴン、ソウジュツ、タイソウ、
チョレイ、ニンジン、ブクリョウ、カンゾウ、ケイヒ、ショウキョウ
<柴苓湯の服薬指導例>
30歳代、妊娠30週目の妊娠高血圧症候群の妊婦。
薬剤師
「持参されたお薬の中に柴苓湯がありましたが、むくみにお使いですか?」
患者
「そうです。象みたいな足になっちゃって……。
柴苓湯を2週間前から飲んでいるんですが、まだ効いている感じがしません。
もっと強い薬はないのですか?」
薬剤師
「妊娠中は、西洋薬の利尿剤は赤ちゃんに悪影響があるので、
使わない方がよいのです。
柴苓湯は、妊娠中も継続して飲むことができるので、
すぐに効果が感じられないかもしれませんが、
むくみ改善の助けになると思います。
手足に力が入らないとか、かぜみたいな症状はないですか?」
患者
「ないです。手足に力が入らないって、漢方薬の副作用ですか?」
薬剤師
「柴苓湯で血液中のカリウムが下がることがあって、
カリウムが下がるとそういう症状が出ることがあります」