クローン病

小腸や大腸に炎症が起き、だるさなど全身症状も現れるクローン病
https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_1057.html
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クローン病(Crohn's Disease)は、潰瘍性大腸炎と同様に、
免疫細胞の過剰な反応によって腸に炎症が起こる病気です。
潰瘍性大腸炎では、炎症が起きるのは大腸の粘膜だけです。
一方、クローン病では、大腸だけでなく小腸にも炎症が多発します。
また、口腔内から肛門まで、
消化管のいろいろな部位に炎症が起こる可能性があります。

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クローン病の炎症は、消化管の粘膜の表面にとどまらず、
粘膜下層から炎症がはじまり、固有筋層、漿膜下層、漿膜にまで及びます。
腸の深いところまで炎症が及ぶと、潰瘍ができて
腸が狭くなる狭窄や腸に穴があく穿孔、そして、
腸と腸がつながって内部でトンネルが形成される瘻孔など
腸の変形が起こります。
こうした腸の変形は自然に元に戻ることはないので、
手術が必要になることもあります。

クローン病、薬による治療
クローン病になると、
小腸で十分に栄養を吸収することができなくなります。
また、食事による腸の負担を減らすために腸を休ませる必要があります。
そのため、食べること以外で栄養を補給する栄養療法が行われます。
経腸栄養療法は鼻から十二指腸まで挿入したチューブを通して、
消化しやすい栄養剤を注入します。
中心静脈栄養療法は
胸などの静脈から挿入したカテーテルを通して栄養剤を注入します。
腸の狭窄が強い場合や炎症が広範囲に及んでいる場合に行われます。

また、クローン病の薬による治療では、
軽症の場合は5-アミノサリチル酸製剤が使われ、
中等症の場合はステロイド薬と免疫調節薬を併用します。
重症の場合、従来から使われている抗TNF-α抗体製剤のほか、
抗IL-12/23p40抗体製剤という新しい薬が使われることもあります。
抗IL-12/23p40抗体製剤は、
クローン病の発症に関わると考えられている物質の働きを抑え、
症状を改善します。

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