メトホルミン長期使用がビタミンB12濃度の低下と関連

メトホルミン長期使用がビタミンB12濃度の低下と関連
http://dm-rg.net/news/2017/03/018037.html


長期にわたるメトホルミン使用は
血中ビタミンB12濃度の低下と関連するが、
同薬を長期使用している2型糖尿病患者では
ビタミンB12欠乏のモニタリングが十分に行われていないことが、
「Journal of the American Geriatrics Society」
オンライン版に2月9日掲載の論文で報告された。


米エモリー大学(アトランタ)のVijaya Kancherla氏らは、
50歳以上の退役軍人で、
メトホルミン治療を6カ月以上受けている2型糖尿病患者3,687人と、
糖尿病をもたず、同薬も使用していない1万3,258人を対象として
後ろ向きのコホート研究を行った。同氏らは、血中ビタミンB12を測定した人の割合を調べた。


その結果、メトホルミンを長期使用している2型糖尿病患者のうち、
血中ビタミンB12を測定した患者の割合は37%にすぎなかった。
血中ビタミンB12の平均濃度は、糖尿病をもたない群に比べて
メトホルミンを長期使用している患者群で有意に低かった
(439.2pg/dL対522.4pg/dL、P=0.0015)。
また、ビタミンB12欠乏は
メトホルミンを長期使用している2型糖尿病患者群では7%、
糖尿病をもたない群では3%に認められ、両群間には有意差がみられた(P=0.0001)。


以上の結果から、同氏らは
「米国ではメトホルミンは2型糖尿病治療の第一選択に位置づけられている。
同薬を長期にわたって使用する場合にはビタミンB12欠乏がないかを
定期的にモニタリングする必要がある」と述べている。