ネモリズマブ

アトピー性皮膚炎のかゆみ軽減 京大などが治療薬候補
http://kyoto-np.co.jp/environment/article/20170302000060



アトピー性皮膚炎のかゆみを抑制する治療薬候補「ネモリズマブ」を、
京都大医学研究科の椛島(かばしま)健治教授や製薬会社「中外製薬)などが開発した。
「かゆみ」を標的にした薬はこれまでなかったが、
患者を対象にした治験の結果、大幅なかゆみの軽減を確認できた。
米医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に3日、発表する。


アトピー性皮膚炎は、成人の2〜3%、小学生の10%が患者とされる。
皮膚のバリアー機能の障害に伴って、免疫機能が破綻してかゆみを生じさせる。
現状ではステロイドなど免疫抑制剤を処方するが、かゆみ自体を抑える有効な薬はない。


ネモリズマブは、
免疫を担うリンパ球から出てかゆみの原因となる生理活性物質「IL―31」が、
神経細胞に働きかけることを抑える。
グループは、日本や欧米の医療機関で約200人の患者を対象に、
安全性や有効性を確かめる治験を行った。


4週間に1回のペースで12週にわたって皮下注射したところ、
かゆみの感覚が6割軽減した。
比較のために効果のないプラセボを投与された患者群では、2割の軽減だった。
また皮膚炎が改善し、睡眠時間の増加も確認できた。