SGLT2阻害薬canagliflozin,第Ⅲ相試験でグリメピリドと比較
メトホルミンへの上乗せ,CANTATA-SU試験
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1307/1307044.html
canagliflozinの,メトホルミンへの上乗せ効果については
シタグリプチンを用いた実薬対照試験結果が既に公表されており,
スルホニル尿素薬をはじめとする従来薬との比較結果にも臨床家の注目が集まっていた。
米ペニントンバイオメディカル研究センターのWilliam T. Cefalu氏らは,
メトホルミン単剤により血糖管理が不良な2型糖尿病患者に対する
同薬の追加薬としての有効性および安全性をSU薬グリメピリドと比較した
臨床第Ⅲ相のランダム化比較試験(RCT)CANTATA-SUの結果を
Lancet 2013年7月12日オンライン版で発表した。
◆HbA1cの変化を基に非劣性と優越性を検討
結果的に1,452例の患者を
canagliflozin 100mg群,
canagliflozin 300mg群,
グリメピリド群に1:1:1の割合でランダムに割り付けた。
◆canagliflozin 100mgは非劣性,300mgは優位性示す
HbA1cの変化に関する検討から,
canagliflozin 100mgのグリメピリドに対する非劣性
canagliflozin 300mgのグリメピリドに対する優位性が示された。
◆低血糖は2投与量群とも有意に低率
低血糖は
グリメピリド群では165例(34%)で生じたのに対し,
canagliflozin 100mg群では27例(6%),
canagliflozin 300mg群では24例(5%)にとどまっており,
canagliflozin群で有意に低かった。
FPGの変化については,
canagliflozin投与の2群でベースラインからの減少幅が大きく,
グリメピリド群に対する差は
canagliflozin 100mg群で−6mg/dL
同300mg群で−9mg/dLで,
52週を通じて持続的にFPGが低下していることも特徴的であった。
体重はグリメピリド群で若干の上昇が認められたのとは対照的に,
canagliflozin 2群はベースラインと52週との比較で有意に減少していた。
◆性器真菌感染症の発生率が高い傾向に
次に安全性について検討したところ,
有害事象全体の発生頻度について群間差は見られなかった。
深刻な有害事象については
グリメピリド群では39例(8%)であったのに対し,
canagliflozin 100mg群では24例(5%),
canagliflozin 300mg群では26例(5%)と,
若干ではあるがグリメピリド群で発生頻度が高い傾向にあった
個々の有害事象について検討したところ,
canagliflozin 群では性器真菌感染症の発生率が高い傾向にあり,
canagliflozin 100mg群,canagliflozin 300mg群,グリメピリド群の順に,
女性では26例(11%),34例(14%),5例(2%),
男性では17例(7%),20例(8%),3例(1%)に同感染症の発生が認められた。
尿路感染症については,報告件数はそれぞれ
31例(6%),31例(6%),22例(5%)。
浸透圧利尿関連のイベントについては頻尿が
12例(3%),12例(3%),1例(<1%),
多尿は4例(<1%),4例(<1%),2例(<1%)であった。
今回の検討から,Cefalu氏は
「canagliflozinによるHbA1c改善効果はグリメピリドより大きく,
メトホルミン投与下の2型糖尿病患者における忍容性も総じて良好であったことから,
canagliflozinはメトホルミンで十分な血糖管理改善に至らない患者に対する
現実的な選択肢となりうるのではないか」としている。