SGLT2阻害薬の適正使用で再度の注意喚起

副作用による低血糖、24例から114例に増加続く
SGLT2阻害薬の適正使用で再度の注意喚起
2014/8/30
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/201408/538098.html


「SGLT2阻害薬の適正使用に関する委員会」は8月29日、
「SGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendation」の改訂を発表し、
同薬投与に伴う重篤な副作用について再度の注意喚起を行った。
新しいレコメンデーションは、日本糖尿病学会のウエブサイト(こちら)に掲出されている。
http://www.jds.or.jp/modules/important/index.php?page=article&storyid=48


低血糖は、前回の24例(うち4例が重症)から114例(うち12例が重症)に増加した。
高齢者でなくても報告例があり、多くは糖尿病治療薬の多剤併用例だったが、
重症低血糖の12例中9例がインスリンとの併用症例だった。
SGLT2阻害薬による糖毒性改善などにより、
インスリンの効きが急に良くなったため低血糖が起こっている可能性があるという。


循環動態の変化に基づく副作用として、重症の脱水が15例、脳梗塞が12例報告された。
脳梗塞の大部分は、投与後数週間以内に発症していた。
ヘマトクリットの著明な上昇を認めた症例もあることから、
SGLT2阻害薬による脱水との関連が疑われるという。
脱水や脳梗塞は、高齢者以外でも認められた。
また心筋梗塞狭心症が6例、高血糖高浸透圧性非ケトン性症候群も2例報告された。


皮膚症状については、重篤ではないものを含めると500例以上、
重篤なものが80例以上となり、最も頻度の高い副作用となった。
全ての種類のSGLT2阻害薬で報告があるという。
スティーブンス・ジョンソン症候群が疑われる症例も1例報告されたことから、
皮膚症状が出た場合は速やかに投与を中止し副作用報告するだけでなく、
皮膚科医へのコンサルテーションを新たに求めた。


尿路・性器感染症については、治験時から関連が認められていたが、
男性でも報告があり腎盂腎炎など重篤な症例も12例報告されたことから、
発見時は泌尿器科や婦人科にコンサルテーションすることが重要とされた。