サルコペニア肥満

太ってなくても脂肪だらけの体、ダイエットが引き金に
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK17008_X11C13A0000000/




サルコペニア肥満」をご存じだろうか。
サルコペニア=筋肉減少と、肥満=体脂肪増加が重なって起きる状態で、
生活習慣病や寝たきりになるリスクが非常に高まることが分かってきた。
筋肉の減少は30代から始まっている。特に、食事を制限するダイエットが要注意だ。


筋肉は加齢と共に減るため、サルコペニア肥満も年齢が上がるほど増える。
早い人は40歳代で発症。70歳代では通常の肥満より多い。





筋肉は加齢と共に減るため、サルコペニア肥満も年齢が上がるほど増える。
早い人は40歳代で発症。70歳代では通常の肥満より多い。


筑波大学大学院人間総合科学研究科の久野譜也教授は
「食事制限中心のダイエットは、体脂肪だけでなく筋肉量も減らしてしまう」と指摘する。
筋肉が減ると、体内の代謝機能が低下するため、
糖尿病や高脂血症といったメタボ系疾患のリスクが高まるのだ。


筋肉量が病的に減った状態を「サルコペニア」という。
代謝機能だけでなく、寝たきりや転倒骨折などを起こすリスクも高くなる病態として、
近年、注目が集まっている。


筋肉量は通常、年齢とともに減っていき、20〜30歳代ではすでに減少傾向になる。
食事制限だけのダイエットは、
この加齢プロセス(筋肉減少)をわざわざ加速させることになる。


またサルコペニアの人は基礎代謝が落ちているため、体脂肪がたまりやすい。
こうして筋肉減少と肥満が重なったのが「サルコペニア肥満」。
メタボ系疾患のリスクが非常に高い状態だ。



筋肉量が少ないため、外見的にはさほど太って見えないこともある。
しかし「太ももの太さが一緒でも、MRIで断層写真を撮ると、
中身がまったく異なるケースも」(久野教授)。
筋肉率が測れる体組成計を使えば、自分でもチェックできる。



必要な対策は、筋トレ。
普段から行うのが望ましいが、ダイエットをする場合は特に重要。
食事制限をしても、筋トレを併用すれば、筋肉の減少が抑えられる。
さらに、筋トレの直後にたんぱく質を摂取すると、効果がいっそう高まるという。
「全身の筋肉を鍛えるのが望ましいが、1種目選ぶなら、
大きな筋肉を鍛えられるスクワットがお薦め」(久野教授)だ。




腰を下ろしたときに、ひざがつま先より前に出ないように。