インクレチン関連薬の効果と特長

2013年03月02日 再放送
ここまで進んだ! 糖尿病治療の最前線
http://www.nhk.or.jp/kenko/drq/archives/2012/12/1201.html

インクレチン関連薬の効果と特長




インクレチン関連薬には
のみ薬のDPP-4阻害薬と注射薬のGLP-1受容体作動薬があります。
血糖を下げる効果がより大きいのはGLP-1受容体作動薬です。

インクレチン関連薬には従来の薬にない多くの特長があります。




低血糖を起こしにくい
インクレチン関連薬は低血糖を起こしにくいのが特長です。
これは、インクレチン関連薬は、食事でとったブドウ糖が小腸に吸収され
「血糖が上がったよ」というサインが出たときにだけ作用するからです。
体内でこのサインを送る物質がインクレチンでインクレチン関連薬はその働きを高めます。


◆すい臓にやさしい
従来のインスリン分泌促進薬は
すい臓にムチ打つような方法でインスリンを分泌させるようなものです。
それに対しインクレチン関連薬は
すい臓のインスリン分泌をやさしく応援するような方法です。
さらにインクレチン関連薬には
インスリンを分泌する細胞を保護する作用も期待されています。


◆体重が増えにくい
従来のインスリン分泌促進薬には、体重が増えやすいという注意点があります。
ブドウ糖が細胞で使われたり蓄えられたりすることは
空腹や体重増加につながるからです。
しかしインクレチン関連薬にはこうした作用がありません。
さらに注射薬のGLP-1受容体作動薬には食欲を抑える効果もあります。


◆グルカゴンを抑える
すい臓はインスリンのほかにグルカゴンというホルモンを分泌しています。
インスリンが血糖を下げるのに対し、グルカゴンは血糖を上げる働きをしています。
インクレチン関連薬はインスリン分泌を促進するだけでなくグルカゴンの分泌を抑制し
この2つの効果で血糖を下げるのです。
従来の糖尿病薬にはまったくなかった作用です。