Over The Counter

海外の大衆薬を服用すると24時間花粉症が治まると大前研一
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130303-00000022-pseven-bus_all



私自身、講演や大学の講義などで今も世界中の国々を訪れているが
海外にはOTC(Over The Counter/カウンター越し)で買える優れた大衆薬が
山のようにあるため、それをいつも日本に持ち帰って服用しているからだ。


たとえば、花粉症には、メルク社製「クラリチン」を常用している。
この薬を服用すると、私は24時間、症状が治まる。
アメリカやカナダなどではドラッグストアで普通に売っているが
日本では医療用医薬品なので病院に行かなければ入手できない。


それがなぜ日本では大衆薬にならないのか? 
医師や薬剤師の利権と深く関係しているだろうことは容易に想像がつく。


たとえば、治らなくても生命にかかわることのない花粉症や胃潰瘍などは
医者がノーリスクで安易に儲けられる疾患だ。
薬がなくなれば、患者は必ず病院にやってくる。
クラリチン」が大衆薬になったら
医者は“金の卵を産むガチョウ”を失ってしまうのである。


また、日本では健康保険が手厚いため
大衆薬を買うよりも安上がりな医療用医薬品に頼るという患者側の問題もある。
大衆薬を服用して寝ていれば治る風邪、頭痛、二日酔いなどで安易に病院に行く。
しかし、これは日本だけの現象である。


海外では、その程度の症状は病気とみなされず
病院に行ったら追い返されるのがオチである。
日本は他国に比べて医薬品のマーケットに占める大衆薬の割合が小さいのだが
その理由がここにある。


今後はそういう歪んだ薬事行政を改め
世界の先進国で普通に売っている大衆薬は
日本でも大衆薬として簡単に手に入るように検討すべきである。


これから日本はますます医療や社会保障にカネのかかる時代になるが
そうすることで安易に病院に行く風潮をなくしていけば
莫大な社会保障費の抑制にもつながるのである。


週刊ポスト2013年3月8日号