ジャヌビア

2012 #32
糖尿病と感染症講演会 MSD

ANA Laguna Garden Hotel


【講演】
これからの糖尿病診療:新しい知見と効果的対策
益崎裕章先生 (琉球大学大学院医学研究科内分泌代謝・血液・膠原病内科学講座教授)





私たちはどうして太ってしまうのか。
図は人類の誕生から今日までを1年に置き換えたカレンダーである。


人類が誕生して6月の半ばに氷河時代が始まる。
その後、北京原人ネアンデルタール人クロマニョン人と出てきて
氷河時代が終わるのは12月31日の朝5時。
私たちの祖先は人類の歴史の半分にも達する長い時代
寒冷や飢餓と闘ってきた。この歴史全体の中で
食べたいものがいつでも手に入る時代は最近の僅か3分間
人類の祖先は、飢えたとき、水がないとき
塩がないときに、寒いときにどうするか
という備えをたくさん張り巡らせてきた。
ところが、最後の3分で飽食の時代、高塩分の時代になった。
急激な環境の変化についていけていないということが起こっている



糖尿病になると、本来生きられるはずの寿命が20%短縮する
血管年齢で言えば20年分、血管年齢が老化する。
60歳の糖尿病患者さんの血管年齢は80歳である。


食後高血糖の段階で膵β細胞は半分になっている


新薬
GPR119 アゴニスト 3年後
GPR119(Gタンパク質共役型受容体119)は
消化管と膵臓に存在する受容体であり、生物活性脂質と相互に作用して
グルコース依存性インクレチンおよびインスリンの分泌を促進する。
膵臓のβ細胞に直接作用してインスリンの分泌を促進し
さらに、小腸からのインクレチンGLP-1の分泌を促す。


SGLT2阻害薬 2年後 7剤スタンバイ
ナトリウム依存性グルコース輸送体(SGLT)は
細胞内外のナトリウム濃度差を利してグルコースを生体内に取り込む。
小腸と腎臓に発現するSGLT1、腎臓に発現するSGLT2がある。
このSGLTの作用機序を阻害することによって尿細管からのグルコース再吸収を阻害する。


参考
http://dm-rg.net/1/012/
http://www.ryudai2nai.com/doc/20111205.pdf