コロナ・ストレスで高まる痛風リスク

飲酒や運動不足…コロナ・ストレスで高まる痛風リスク
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痛風の発症はこれまで、季節の変わり目の春や
アルコール摂取が増える夏が多かった。コロナ禍で秋以降も注意が必要になりそうだ」
日本痛風・尿酸核酸学会の久留一郎副理事長(鳥取大学医学部教授)は警鐘を鳴らす。

患者のなかには「プリン体ゼロとされる焼酎などの蒸留酒を飲んでいるから大丈夫」と考える人も多い。
久留氏は「それは誤解。アルコールを大量に飲めば痛風の危険性を高めることに変わりはない」と指摘する。

アルコール自体が血中の尿酸を増やしやすいのがその理由だ。
実は体内にある尿酸のうち、飲食物からのプリン体摂取によるのは2割程度。
8割は体内で合成され、一定量たまったら尿や汗、便と一緒に排せつされる。
大量のアルコールは合成や排せつのバランスを崩すおそれがある。

肥満気味の人は減量も欠かせない。
久留氏によると、減量などで内臓脂肪が15%以上減少すると尿酸値が下がる。
ただ、筋肉トレーニングなどの無酸素運動
体を動かす際に使われるATP(アデノシン3リン酸)を分解させ、体内の尿酸を増やす。
尿酸値を下げるための減量にはジョギングやサイクリングなどが勧められる。

尿酸降下薬は継続して飲む必要がある。
服薬を中止すると「2週間で尿酸値が元の値に戻る」(日本痛風・尿酸核酸学会)。
高尿酸血症を放置すると、腎臓や心臓血管に悪影響を及ぼし、尿路結石や腎臓病につながる懸念もある。
服薬は生涯続ける必要があるとされるが、
尿酸値が安定している場合は医師と相談し、いったん中止するケースもある。