痛風

痛風、投薬の前に生活改善 尿酸値無理に下げずに
http://www.nikkei.com/life/health/article/g=96958A96889DE1E4E1EBE5E5E4E2E3E2E3E3E0E2E3E3979EE382E2E3;p=9694E0E4E3E0E0E2E2EBE1E3E2E3


痛風と、その予備軍である高尿酸血症
治療の目標は長らく、原因物質である尿酸の値を投薬で引き下げることだった。
しかし、最近は尿酸値を無理に下げず、患者にまず生活習慣の改善を促す治療に移行してきた。
尿酸をいたずらに悪玉扱いしない見方も出ている。




  • 発症と相関性薄い

「尿酸値を下げたら病気が改善するという医学的証拠はもともとない」
と主張するのは、東京医大医学総合研究所の西岡久寿樹所長。


1970年に三重県の離島で全住民約3300人を対象とする調査を実施し
尿酸値と病気との間に明確な関係がないことを突き止めた。
「去年の米国リウマチ学会では、尿酸値を下げる意義が明確に否定された」と言う。


尿酸値が7mgを超えると高尿酸血症と呼ばれる。
成人男性の約1割が高尿酸血症で、そのうち痛風を発症するのは約1割だけ。
高尿酸血症だと痛風になる」とは必ずしもいえない。

  • 98%を再吸収

普通の人の血液には約1200mgの「尿酸プール」が存在する。
体内で生産される量は毎日約700mg
このうち500mgが尿中に出され、200mgが汗や消化液に排せつされる。
一方、人間は尿酸を分解する酵素を持たず、腎臓の糸球体で
いったん血液からろ過されても、尿細管で98%が再吸収される。
有害な成分ならば、こんなことにはならないはずだ。


そこで最近注目されているのは、尿酸の抗酸化物質としての役目だ。
炎症時にできるスーパーオキサイドや一酸化窒素などの活性酸素の消去剤として知られる。
働き盛りの男性の尿酸値が高い一因ともみられ、東京工科大学の山本順寛教授は
「体にとって有用な尿酸を捨てるのはもったいない」と言う。