1日1本の喫煙でも心血管リスク大

1日1本の喫煙でも心血管リスク大
141件のコホート研究のメタ解析
https://medical-tribune.co.jp/news/2018/0202512771/


1日1本の喫煙による冠動脈疾患・脳卒中リスクは予想以上に大きく、
1日20本の喫煙によって増加するリスクの約半分に及び、
心血管疾患において安全なレベルの喫煙は存在しないことが示された。
英・University College LondonのAllan Hackshaw氏らは、
141件のコホート研究をメタ解析した結果を、BMJ(2018; 360: j5855)に報告した

  • 1日1本の喫煙の過剰相対リスクを約5%と予測

喫煙は冠動脈疾患や脳卒中のリスクを増加させるが、
多くの喫煙者は喫煙本数を減らせば、そのリスクは大幅に低下すると信じている。
しかし、5件の研究のメタ解析により、
1日5本以下の喫煙でも予想以上に冠動脈疾患リスクは高まることが報告されている。

  • 喫煙本数を減らすのではなく完全禁煙を

Hackshaw氏は「喫煙本数を減らすことで、
がんのリスクの大幅な低下と心血管疾患に対する幾らかの利益を得ることは可能である。
しかし、今回の研究により1日に1〜5本程度の喫煙の冠動脈疾患および
脳卒中に対するリスクは、多くの医療従事者や喫煙者が認識するよりも
実質的に高いことが分かった。
これは、心疾患を引き起こさないレベルの安全な喫煙は存在しないことを明示している。
冠動脈疾患や脳卒中のリスクを有意に低減するためには、
喫煙本数を減らすのではなく、完全な禁煙を目指すべきである」と強調している。