手足口病 大流行のおそれ 手洗いなど徹底を
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170718/k10011063891000.html?utm_int=news_contents_news-main_005
手足口病はウイルスが原因の感染症で、
主にウイルスの付着した手を口元にもっていったり、
感染者のせきやくしゃみを吸い込んだりすることで感染します。
大人は感染しても発症しないケースが多いとされていますが、
5歳以下の子どもでは夏場に発症することが多く、
特に免疫を持っていない2歳以下の小さな子どもの間で流行する傾向があります。
ウイルスに感染すると3日から5日ほどの潜伏期間を経て、
手や足、それに口に2ミリほどの発疹が現れるのが特徴で、
38度以下の軽い熱が出ることもあります。
通常は1週間ほどで回復しますが、
まれに髄膜炎や脳炎などを引き起こすこともあり、死亡例も報告されています。
今シーズン流行の主流のウイルスは平成23年の大流行の時と同じ
「コクサッキーA6」と呼ばれるタイプで、
症状が収まった後も数週間したあとに指の爪がはがれることがあります。
一方、患者の中で割合は少ないものの、
ほかのタイプと比べて脳炎などを引き起こしやすいとされる
「エンテロウイルス71」と呼ばれるタイプも検出されています。
20年前の平成9年にはこのウイルスとの関連が指摘される
子どもの死亡例が3件報告されるなどしていて、
専門家は注意が必要だとしています。
予防法は?
専門家によりますと、まずはほかの感染症と同じように、
トイレの後や食事前など、石けんと流水で
しっかりと手を洗うことが重要だとしています。
また感染者の便からもウイルスが排出されるので、
オムツを処理する際には使い捨ての手袋を使うなどして
ウイルスを周囲に広げないように適切に処理することが必要だとしています。
さらに保育園をはじめとした小さな子どもが集まる施設では、
おもちゃやタオルなど子どもが共有するものは
きちんと消毒することが有効だということです。
一方、手足口病にはウイルスに効果のある治療方法やワクチンはなく、
症状に合わせた対症療法が中心となります。
夏場のこの時期、注意が必要なことの1つは口の中に症状が現れた場合で、
痛みなどがあってもきちんと水分を補給することが大切だということです。
専門家は、一般的に手足口病は軽い症状で終わることがほとんどで
医療機関などを受診して経過観察で回復するケースが多いのですが、
まれに髄膜炎や脳炎などを引き起こすことがあると話しています。
髄膜炎や脳炎の主な症状は、
高熱が出たりおう吐や頭痛を訴えたりするほか、
視線が合わない、呼びかけに答えないなどの症状があります。