麻疹・風疹

麻疹・風疹… 海外での感染が急増
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麻疹は、咳や、くしゃみなどで飛散するつば(飛沫)や
空気中に漂うウイルスを吸い込んだり、ウイルスが付着した手で
鼻や喉に触れたりすることなどで感染する。


初期には38度以上の発熱や咳、鼻水が3〜4日続くなど風邪と誤解されやすい。
その後、口の中の粘膜に直径約1ミリの白い発疹が現れ
体全体にも赤い発疹が広がり、39度前後の高熱が続く。
肺炎や中耳炎を引き起こすことがあり、まれに重い脳炎を起こす恐れもある。


風疹は、飛沫による感染が中心。
37・5度以上の発熱があり
耳の後ろや後頭部付近のリンパ節が腫れ、全身に赤い発疹が出てくる。
重い後遺症や合併症はまれだが、妊婦が妊娠初期に感染すると
胎児に難聴や白内障などの「先天性風疹症候群」を招く恐れがある。


国立感染症研究所感染症情報センターによると
麻疹、風疹の全患者数を集計するようになった2008年以降
麻疹は2008年の1万1012人をピークに、2011年は434人に減少した。
だが、海外で感染して帰国後に発症するケースが急増。
2010年末以降、アジアで流行している遺伝子タイプや
ヨーロッパで流行している遺伝子タイプが、国内の患者から検出されている。


一方、2011年の風疹患者は、2008年以降で最多となる371人。
海外出張などから戻り、事業所内で集団感染する事例も目立つ。


麻疹、風疹ともに有効な治療薬はなく
発熱や脱水症状などを抑える解熱剤や点滴などで治療する。
一度感染して発症すると、病気に対する抵抗力(免疫)は一生続くとされる。


(2012年4月28日 読売新聞)