「胆石は薬で溶けるの？」
薬剤師のＹちゃんが
患者に聞かれて答えられなかったと言って俺に聞いてきた。
俺もよく知らなかったので調べてみた。
答え ： ウルソで溶けることもあるが時間がかかるようだ。
https://www.jsge.or.jp/theme/jsge2015/files/citizens/guidebook/05_tanseki.pdf
Ｑ 胆石を薬で溶かすことはできるのでしょうか？
それはどのような胆石でしょうか？
コレステロール胆石は薬で溶かすことができる場合があります。
レントゲン写真には写らない胆石で大きさが 15mm 未満の小さなものならば、
胆嚢の働きが正常であれば溶けます。
なかでも胆嚢のなかで浮くような小さく軽いものはとくによく溶けると考えられています。
ただ、薬の効果を評価するには 6〜12 ヵ月が必要とされていますので、
少なくともその期間は薬を飲みつづける必要があります
１．溶ける胆石とは？
胆石には大きく分けてコレステロール胆石と色素胆石があります。
コレステロール胆石はおおむね胆石の成分のうち 70％以上がコレステロールです。
一方、色素胆石というのはビリルビンという色素でできています。
薬で溶ける胆石とはコレステロール胆石です。
それも直径が 15mm 未満（できれば10mm未満）の小さく浮くものです。
さらに石灰化のないコレステロール胆石のみ治療の効果が期待できます。
コレステロールは脂質の一種なので
石鹸の働きをする薬を使えば溶かすことができるのですが、
石灰部分は脂質ではないので溶けないのです。
２．溶かす薬とは？
コレステロール胆石を溶かすために使われる薬（石鹸の一種）とは
胆汁酸とよばれるものです。
ウルソデオキシコール酸やケノデオキシコール酸がその代表です。
もともと体のなかにあるものですが、後者は肝臓に障害を及ぼす場合があり、
現在では前者のみが使われています。
肝臓の病気（肝炎など）の治療にも使われています。
そもそもコレステロールは胆汁のなかに豊富に溶け込んでいます。
これを溶かしこむために十分な胆汁酸が必要なのですが、
なんらかの原因でこれが不足するとコレステロールが結晶となって
析出・沈殿して胆石に育ちます。
つまり、その“不足した胆汁酸”を補うことでコレステロール胆石が溶けるというわけです。
３．溶けるための条件とは？
コレステロール胆石に対して
胆汁酸を薬として飲んでもらえばかならず溶けるというわけではありません。
上記のように“石灰化のないコレステロール胆石で
比較的小さい（直径 15mm 未満）”ことが胆石に関する条件です。
しかし、胆嚢の働きが悪く、胆嚢のなかに溶かす薬が入らない場合は効果がありません。
そこで“胆嚢の働き（機能）が正常であること”という条件が加わるのです。
ちなみに胆嚢機能は胆道造影検査という造影剤を点滴する検査によって判定されます。
この検査で胆嚢のなかに胆石が浮いていること（浮遊結石）がわかれば
もっとも溶けることが期待できる胆石と考えられます。
４．溶かす治療の成績と問題点は？
この治療の問題は、
胆石を 100％取り除くことができるわけではないことと、再発することです。
前述の 2 種類の薬を同時に飲んでもらうと、
直径 15mm 未満の胆石では 6 ヵ月で 52〜62.8％の胆石が溶けるとされていますが、
ウルソデオキシコール酸単独では 24〜38％です。
溶けたあと放っておくと 12 年間で 61％に再発すると報告されていますが、
薬をつづけていると 16％に抑えられます
ほかのサイト
http://www.ims-itabashi.jp/tanseki/about.html
http://www.tmd.ac.jp/grad/msrg/gallbladder/cholelithiasis.html
http://merckmanuals.jp/home/%E8%82%9D%E8%87%93%E3%81%A8%E8%83%86%E5%9A%A2%E3%81%AE%E7%97%85%E6%B0%97/%E8%83%86%E5%9A%A2%E3%81%A8%E8%83%86%E7%AE%A1%E3%81%AE%E7%97%85%E6%B0%97/%E8%83%86%E7%9F%B3.html
