胃の一生はピロリ菌に感染しているかどうかで決まる
胃がん・胃潰瘍、除菌でほぼ防げる時代に
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO83942860U5A300C1000000/?dg=1
「問題は、クラリスロマイシンへの耐性を獲得したピロリ菌が増えていることです。
風邪で医療機関を受診するとしばしば抗菌薬が処方されます。
なかでもクラリスロマイシンは幅広い種類の菌に効く抗菌薬なので、
かなり多用されています。その結果、知らないうちに胃の中のピロリ菌が
クラリスロマイシンに対する耐性を獲得してしまっている人が少なくないのです。
クラリスロマイシン耐性が原因で、現在ピロリ菌の一次除菌の成功率は
70%にとどまっており、30%のケースは不成功に終わっています」
「ここで期待されるのが新薬です。
これまでの3剤併用療法では、PPIが胃酸分泌を抑えることで、
2つの抗菌薬が胃酸で分解されずにうまく作用するように調整していました。
そこへ2015年2月、PPIよりさらに強力かつ持続的に作用する、
カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)
「ボノプラザン(商品名タケキャブ)」が発売されました。
P-CABは、PPIとは異なるしくみで胃酸分泌をより強力に抑えます。
ボノプラザンをPPIのランソプラゾール(商品名タケプロンほか)の代わりに
ピロリ菌の一次除菌に使った臨床試験では、除菌の成功率は92.6%、
二次除菌でも98.0%の成功率だったことが報告されています」
「今後、PPIの代わりにボノプラザンを取り入れることで、
除菌治療が成功する人はもっと増えると思います。
除菌治療が1回で済めば患者さんの負担も減りますから、
われわれ医師も期待しているところです」