慢性骨髄性白血病

増える血液がん「慢性骨髄性白血病
http://www.nhk.or.jp/kenko/kenkotoday/archives/2015/03/0309.html

症状と検査




慢性骨髄性白血病は年単位でゆっくり進行し
自覚症状がほとんどないため、健康診断やほかの病気の検査で見つかるケースが大半です。
しかし、ほうっておくと発症から3〜5年ほどで急性白血病に変わり(急性転化)、
治療が困難になります。慢性のうちに発見し、治療を始めることが大切です。
白血球数が2万、3万と極端に増えていたり、
健康診断で白血球数が年々増えている場合は注意が必要です。


慢性骨髄性白血病の細胞では、22番の染色体が切断されて、
一部が9番の染色体と入れ替わっています(フィラデルフィア染色体)。
フィラデルフィア染色体には、本来離れているBCR遺伝子とABL遺伝子が結合した
BCR-ABL遺伝子という異常な遺伝子が存在しています。
検査でこれらが見つかれば、診断が確定します。

治療法




2001年にイマチニブ(グリベック)という分子標的薬が登場して以来、
薬をのみ続ければ症状をコントロールできるようになっています。
分子標的薬は、BCR-ABL遺伝子から作られるBCR-ABLという異常なたんぱくと結合して、
白血病細胞の増殖を防ぎます。
ただし、がん化した造血幹細胞を死滅させることはできないため、
薬をのみ続けることで、病気の進行を防ぎます。


イマチニブを第1世代とすると、第2世代として、
2009年にニロチニブ(タシグナ)とダサチニブ(スプリセル)、
2014年にボスチニブ(ボシュリフ)という分子標的薬が登場しました。
最近では、ほとんどの場合、効果が高く副作用が少ない第2世代の薬から使い始めます。
これら4種類の薬が効かない場合にも効果を発揮する、
ポナチニブという第3世代の薬がすでにアメリカで使われています。
日本でも近い将来、健康保険の適用になると考えられます。