乳がん タイプ別 薬の治療

あなたのための乳がん大解説「タイプ別 薬の治療」
http://www.nhk.or.jp/kenko/kenkotoday/archives/2017/08/0809.html

乳がんのタイプ




乳がんのタイプは、
がん細胞の増殖の仕方や増殖能力の高さによって
「ルミナルA」
「ルミナルB」
「ルミナルHER2」
「HER2陽性」
「トリプルネガティブ」の5つに分けられます。








乳がんの細胞が増殖する方法は主に2つあります。
エストロゲンなどの「女性ホルモン」を栄養源として増殖する方法と、
もう一つは、細胞の表面に
「HER2タンパク」というものを沢山もっているタイプです。
この「HER2タンパク」から「増殖せよ」という
命令が細胞内に出ることでがん細胞が増殖します。


「ルミナルA」
女性ホルモンを栄養源にして増殖します。
がん細胞の増殖能力は低いタイプです。


「ルミナルB」
女性ホルモンを栄養源にして増殖しますが、
ルミナルAよりも増殖能力が高いタイプです。


「ルミナルHER2」
女性ホルモンとHER2タンパクどちらによっても増えます。


「HER2陽性」
HER2タンパクによってのみ増えるタイプです。


「トリプルネガティブ」
女性ホルモン、HER2タンパク何れにも関係しないタイプです。

タイプ別の薬




女性ホルモンで増殖するタイプには「ホルモン剤」を使用します。
HER2タンパクで増殖するタイプには
「分子標的治療薬」と「抗がん剤」を併用します。
そして、トリプルネガティブは主に「抗がん剤」のみで治療を行います。


それぞれの薬の作用は以下の通りです。
ホルモン剤ホルモン剤には主に2種類あります。
一つはがんの栄養源となる女性ホルモンそのものを減らす薬で、
これには、「LH−RHアゴニスト製剤」や「アロマターゼ阻害薬」があります。
アロマターゼ阻害薬は閉経後に使用
アリミデックス(アナストロゾール)
フェマーラ(レトロゾール)
アロマシン(エキセメスタン)
骨粗鬆症に注意 関節痛+


もう一つは乳がん細胞が女性ホルモンと結びつくのを邪魔する薬で、
これには「抗エストロゲン薬」があります。
タモキシフェン(ノルバデックス)
閉経前


「分子標的治療薬」
がん細胞だけをピンポイントに狙い撃ちする薬です。
代表的な物に「抗HER2薬」があげられます。