かぜのひき始めの漢方薬

漢方 もっと知りたい「かぜ タイプ別治療」
http://www.nhk.or.jp/kenko/kenkotoday/archives/2014/10/1008.html


◆かぜと漢方



かぜ(かぜ症候群)をひいて熱が出た人を対象に、
漢方薬と西洋薬の効果を比較したところ、漢方薬をのんだ人のほうが
西洋薬をのんだ人より早く熱が下がったというデータがあります。


漢方薬はゆっくり効くというイメージをもたれがちですが、
漢方薬のなかには即効性を期待できるものもあり、
かぜのような急性疾患にもよく使われています。


◆かぜのひき始めの漢方薬



証を決定するための物差しの代表的なものに、陰陽と虚実という考え方があります。
かぜのような急性疾患を治療する場合、
陰証(寒証)とは体が寒さに支配されている状態を指し、
陽証(熱証)とは体が熱に支配されている状態を指します。


虚実は病気に対する反応(症状の強さ)を表すものと捉え、
反応が強い場合を実証、あまり強くない場合を虚証といいます。


かぜのひき始めには、熱が出て症状も激しいため、多くは陽証で実証と診断されます。
この場合、症状が比較的激しいときには麻黄湯が、
一般的には葛根湯がよく使われます。


陽証で虚証とは、水のような鼻汁やくしゃみ、せきなどが見られ
症状が激しくない場合で、小青龍湯がよく使われます。
皮膚が汗ばんでいる場合などには桂枝湯が使われます。


それほど多いケースではありませんが、悪寒や寒気が目立つだけで熱はそれほど上がらず、
のどが痛いというような場合は、陰証で虚証にあたります。
このような場合には麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)が使われます。