アレルギー性鼻炎に対する漢方

花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)と漢方
石田正幸先生  富山大学耳鼻咽喉科頭頸部外科学
http://www.kampo-s.jp/web_magazine/back_number/258/index-258.htm



青竜湯は、泡沫水様の痰、水様性鼻汁、くしゃみ、喘鳴などを目標とし、
適応症はアレルギー性鼻炎感冒気管支喘息、気管支炎などである。
二重盲検比較試験によりエビデンスが明らかになっている薬剤である。


漢方における証の概念としての中間証を適応とするが、
極端に実証あるいは虚証でない限り、効果を発揮するといわれており、
あまり証を気にせず処方できる。


アレルギー性鼻炎に対する漢方アプローチとしては、
エビデンスがあり、中間証を広くカバーする小青竜湯をまず用いて、その効果をみる。
効果が不十分と感じれば、あらためて証を検討し、
実証には、麻黄や石膏の多い薬剤である越婢加朮湯や麻杏甘石湯を、
虚証には、附子を含む麻黄附子細辛湯に変更したり、
青竜湯で動悸や胃腸症状が出る場合には、
麻黄を含まない苓甘姜味辛夏仁湯などを選択していく。