かぜ × 漢方

ツムラ漢方スクエアより
本間行彦 先生 北海道大学名誉教授・北大前クリニック院長
http://www.tsumura.co.jp/password/magazine/113/dojo.htm



かぜ急性期の処方は?

麻黄湯

特に38℃以上の高熱、悪寒、関節痛・筋肉痛など
インフルエンザ特有の症状のあるものによく効きます。
ただし、体力のある実証が原則で、虚証では胃腸症状などを出しやすいので要注意です。
無汗も原則です。


葛根湯

38℃程度までの中等度の発熱、悪寒、頭痛、後頭部のコリのあるものによく効きます。
この場合も無汗が原則です。
体力のある実証に対応し、虚証では胃腸症状を出しやすく、要注意です。

青竜

体力中等度で、鼻汁の強いものが対象です。
虚証の人には、含まれている麻黄が胃腸にさわることがあります。

桂枝湯

体力中等度ないし虚証気味で、発熱は中等度、寒気も強くなく
発汗がみられるものに対応します。
麻黄湯により発汗したあとは、桂枝湯に切り替えることになっています

麻黄附子細辛湯

虚証で、老人や体力を消耗している人などが対象となります。
寒気が強く、「背中に氷を背負っているようだ」などと訴えることが多いです。
これは体を温める力が強く、麻黄が入っていても胃腸症状などの副作用はほとんど見られません。
なお、この場合、筆者は最初から麻黄附子細辛湯に桂枝湯を合方することが多く
よいように感じています。両者はとても相性のよい方剤です。