変形性膝関節症 注射いつまで

医療相談室
変形性膝関節症 注射いつまで
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◆Question
歩行の第一歩に違和感を感じ、正座ができず、変形性膝関節症と診断されました。
左膝の左側に痛みを感じ、毎週1回、膝へのヒアルロン酸の注射を2か月続けて
良くなったのですが、今は左膝の右側が痛みます。注射はいつまで続ければよいですか。
(60歳女性)


◆Answer
特異な経過はMRI検査
津村弘 大分大病院整形外科教授


変形性膝関節症は、膝関節の中にある軟骨がだんだんとすり減り、
そのうちに余分な骨ができて、関節の変形が進行する病気です。


多くの場合、膝の内側が痛み、O脚が進行します。
初期は、動き始めの痛みが主な症状ですが、進行すると歩いた時にも痛みを感じます。
また、膝の曲がりや伸びが悪くなってきたり、関節液と呼ばれる水がたまったりもします。


外来では、肥満であれば減量し、
無理な正座と長時間の歩行をやめるなど、日常生活の改善を指導します。
このほか、太ももの前の筋肉など脚の筋力強化、
ステロイド性抗炎症薬の内服、ヒアルロン酸の関節内注射などが行われます。


ヒアルロン酸の注射は通常は週1回、5週連続で行います。
よく効けばこれで終了ですが、症状が残っていれば、
2〜4週に1回の注射を続けながら経過を見ます。
これらの方法を組み合わせて治療します。


こうした治療法でも症状が改善せず歩行が困難になれば、
すねの骨を切って形を変える手術や、人工膝関節置換術を考慮します。
近年、手術法は大きく進歩しています。


(2014年8月30日 読売新聞)