非結核性抗酸菌症

《医療相談》 非結核性抗酸菌症 治療法は
http://www.asahi.com/health/doushimashita/TKY201112290184.html

78歳の男性。昨年、健康診断をきっかけに非結核性抗酸菌症と診断されました。
処方された3種の抗菌薬を飲み始めましたが
食欲がなくなり倦怠感もひどく飲むのをやめました。
自覚症状は特にありません。薬を飲むべきか、他に治療法はあるのか教えてください。

◆答える人 長谷川直樹先生 慶応大学病院感染制御センター准教授

Q どんな病気ですか。

A 土壌やほこり、水回りなど、環境中に存在する非結核性抗酸菌という菌が
肺などに感染し、せきやたん、発熱などの症状が出る病気です。
重症化し呼吸不全になる場合もありますが、ほとんど進行しない人もいます。
人から人へ感染はしません

Q 相談者は自覚症状がないそうです。

A 2008年に診断基準が見直され
せきや息切れなどの症状がなくても、画像に影があり
たんの検査で2度以上菌が見つかれば、診断されるようになりました。
年に数万人、新たに患者が増えている可能性があります。

Q 治療法は?

A 1年半ほど3種類の抗菌剤を服用するのが標準的です。
ただし発熱や体重減がなく、進行が緩やかな場合は
薬を飲まずに様子をみることもあります。
治療に時間を要するので高齢者の場合は特に経過観察を考慮しますが
3カ月から半年に一度は受診することが大事です。

Q 薬は効きますか。

A 処方量をきちんと飲めば7、8割の人は菌が消失します。
ただし一度ダメージを受けた肺の働きは戻りません。
段階的に薬の種類を増やすと、体になじみやすいようです。
単剤治療や飲んだり飲まなかったりすると、効きにくいので注意してください。
病気が進めば、手術で病巣をとることがありますが、その前後にも薬物療法をします。


参考
結核性抗酸菌症
http://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/000266.html


抗酸菌症(結核と非結核性抗酸菌症)のお話し
http://www.hosp.go.jp/~eastt/02_06_shinryouka/kokyuukinaika/kokyuukinaika01.html