やせない原因、実は4つの栄養不足
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK1500E_V11C13A1000000/
「現代女性は栄養素の不足により、代謝が下がっていることの方が問題」
というのは松倉クリニック&メディカルスパの松倉知之院長。
本来、糖質や脂質などの栄養素をとると、ミトコンドリアでATPが作られる。
このエネルギー産生が十分なら、栄養をとっても活動エネルギーに変えられるが、
ここが滞るとエネルギーに変えられずに、余分なカロリーが脂肪として蓄えられてしまう。
特に問題になるのが、30代の後半から。
「もとより年齢とともに、代謝は下がる。
さらにエネルギーを作り出すために必須な鉄分や
ビタミンB群が不足すると代謝低下が深刻に」と松倉院長。
●エネルギーをしっかり作るために→ 「 鉄、ビタミンB群 」
●骨や筋肉のために→ 「 亜鉛、カルシウム 」
鉄は、「細胞のエネルギー、ATP産生に欠かせないばかりでなく、
肌や腱、靭帯などの主成分であるコラーゲンの産生にも関わり、
ホルモン分泌、細菌やウイルスへの抵抗力にも関わっている。
鉄の働き
●赤血球を強くし、酸素と栄養を多く運べるようにする
●細胞のミトコンドリアのエネルギー(ATP)産生に関わる
鉄が関わるのは、細胞内のミトコンドリアでのエネルギー産生。
不足すると疲れやすい、冷えやすい、眠りが浅いといった全身症状が出るほか、
筋肉を収縮させられなかったり弛緩させられなかったりする。
コラーゲン産生にも関わるので、肌や爪の状態が悪化する。
鉄と並んで、同じく細胞のエネルギー産生に欠かせないのが、ビタミンB群だ。
「エネルギー産生を支えるメカニズムは複雑。
その多くの場面で異なる種類のビタミンBが必要とされる。
1種類のBだけでは、メカニズム全体を担えないので、
補うときはB群をまんべんなく補って」と、満尾院長は解説する。
さらに、ビタミンB群は神経伝達物質の合成にも関わり、
「抑うつや、統合失調症改善などのデータも報告されている。
気分の落ち込みや集中力の低下がビタミンB群不足で引き起こされていることも」
と、満尾院長。
ビタミンB群の働き
●細胞内のミトコンドリアのエネルギー(ATP)産生の各ステップに必要とされる
●皮膚や粘膜を正常に保つ
●アルコール代謝に関わる
●ホルモンや神経伝達物質の合成に関わる
細胞のエネルギー産生のほか、
赤血球を作る(葉酸、B12)、
脂質代謝(B2)、
アルコール分解(B3)、
ホルモン合成(パントテン酸)、
神経伝達物質の生成(パントテン酸、B12、葉酸)
などに関わっているので、不足すると全身あちらこちらで不調につながる。
B群すべてを積極的に補おう。
各種の栄養の調査で、不足が指摘されているのが、カルシウムと亜鉛だ。
カルシウムが不足すると、筋肉の収縮力が弱くなり、日常活動も活発にできなくなる。
もちろん、骨の強さを維持するミネラルでもある。
亜鉛もたんぱく質合成やホルモンに関与し、筋肉を保つのに必須。
カルシウムは、体内でマグネシウムと密接に関わりながら働く。
そのため、サプリメントも体内バランスに沿って、
カルシウムとマグネシウムを2対1で含むものが多い。
また、亜鉛を同時に摂れるもの、骨を作るのに必要なビタミンDを加えたものもある。
上手に活用しよう。
カルシウムが豊富な食材は、牛乳、チーズ、小魚などのほか、
小松菜、ホウレン草などにも多い。