メニエル病

このめまい メニエール病?「前触れを見逃さない」
http://www.nhk.or.jp/kenko/kenkotoday/archives/2012/08/0807.html
http://www.nhk.or.jp/kenko/kenkotoday/archives/2012/08/0808.html
http://www.nhk.or.jp/kenko/kenkotoday/archives/2012/08/0809.html


メニエール病とは

メニエール病は、ぐるぐると回転するようなめまいが繰り返し起こる病気です。
多くは、耳鳴りや難聴などの聴覚の異常を伴います。
内耳には、体の回転などを感知する三半規管と
音を感じるセンサーである蝸牛(かぎゅう)があります。
メニエール病は、三半規管と蝸牛の中を流れているリンパ液のうち
内リンパ液がたまり、水ぶくれのような状態になることで起こります。
水ぶくれのような部分が三半規管や蝸牛を圧迫するために
めまいや耳鳴り、難聴などの症状が現れます。
原因はまだ詳しくわかっていませんが
ストレスや過労によって引き起こされると考えられています。


早期発見のために

メニエール病のめまいは10分から数時間程度で治まりますが
その後何度も繰り返すようになります。
ほうっておくと治癒が難しくなるので、早期発見・早期治療が何より大切です。
メニエール病では、めまい発作を起こす前に前触れ症状が現れることがあります。
主に聴覚の異常で、「ブーンなどの耳鳴りが続く」「耳が詰まったような感じがする」
「低音域が聞き取りにくい」「自分の声や高い音が響く」などの症状です。
こうした異常を感じたら、めまいを起こしていなくても一度耳鼻咽喉科を受診しましょう。


メニエール病と間違えやすい病気

回転性のめまいは、メニエール病以外の病気でも起こります。
症状が似ていて間違えやすい病気には
良性発作性頭位めまい症」「前庭神経炎」などがあります。


良性発作性頭位めまい症では
三半規管の根元にある耳石器から、耳石という細かい砂粒のようなものがはがれ
三半規管に入り込むことでめまいが起こります。
頭を特定の向きにしたときにめまいを起こすのが特徴で
めまいの継続時間は20秒〜1分ほどです。聴覚症状はありません。


前庭神経は、三半規管で感知した情報を脳に伝える神経です。
前庭神経炎ではこの前庭神経が炎症などで障害を受け、突然めまいが起こります。


メニエール病に気づくためには、まず聴覚症状の有無をチェックします。
めまいの持続時間は10分から数時間程度で、繰り返し起こるのがポイントです。



ストレス対策と血行改善

メニエール病の最大の要因はストレスなので
日常生活でのストレス対策が不可欠です。
メニエール病を発症しやすい人には
「意に染まないことも我慢する傾向がある(自己抑制行動)」
「徹底的にやらないと気が済まない(熱中行動)」といった特徴があります。


また、内耳の血液循環が悪いとめまいが起きやすくなります。
血行を良くするために運動習慣をつけましょう。
軽く汗をかく程度の有酸素運動を1日30分以上、週に2回以上が目安です。
ぬるめの湯で半身浴をするのも効果的です。


食事と運動

食事では、塩分を控えて、体が水分をため込まないようにします。
また、ビタミンB12には末梢神経の代謝を改善する作用があるので
貝類(カキ、アサリ、シジミ)や青魚(イワシ、サンマ、サバ)、レバーなど
ビタミンをB12を含む食品を積極的に摂取するようにしましょう。


メニエール病の手術

生活習慣の改善や薬物療法などを行っても症状の改善が見られない場合は手術が検討されます。
手術法には、鼓膜に小さな穴を開け内耳の圧力を下げる「鼓室換気チューブ留置法」
内耳と脳の間にある内リンパ嚢という組織に穴を開け内リンパ液を排出する「内リンパ嚢解放術」
三半規管の働きをまひさせる「鼓室内薬液注入法」などがあります。
また、手術ではない方法として、水分をたくさん摂取する「水分摂取療法」や
鼓膜に圧力をかけ内耳の圧力を改善する「鼓膜マッサージ器による治療」など
が行われることもあります。