抑肝散

漢方 もっと知りたい「認知症の行動・心理症状」
http://www.nhk.or.jp/kenko/kenkotoday/archives/2014/10/1007.html



漢方薬は認知機能の低下を抑える薬ではありませんが、
BPSD(徘徊・興奮・抑うつ状態などの行動・心理症状)を
軽減する効果が見られるという多くの報告があります。


BPSDに対して使われる代表的な漢方薬としては、
抑肝散(よくかんさん)があげられます。


一般に、
「神経過敏で興奮しやすい」
「イライラする」
「眠れない」
などの精神神経状態に用いられ、
アルツハイマー病やレビー小体型認知症のBPSDのうち、
幻覚、興奮、攻撃的衝動、焦燥感、異常行動などに効果があるとされます。


ある調査では、抑肝散服用前と比べて、
焦燥感、不眠、無気力・無関心、妄想、排せつ物を触るなどの奇異な行動が、
2週間、4週間と経過するうちに改善したことが報告されています。


抑肝散は、
茯苓(ぶくりょう)、
川芎(せんきゅう)、
釣藤鈎(ちょうとうこう)、
蒼朮(そうじゅつ)、
当帰(とうき)、
柴胡(さいこ)、
甘草(かんぞう)の7つの生薬で構成されています。


さらに胃腸が弱く体力がない場合は、
抑肝散に吐き気止めの効果がある
陳皮(ちんぴ)、
半夏(はんげ)を加えた
抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)を使うこともあります。