SSRI

笹嶋勝「クスリの鉄則」

SSRI:絶対に自己判断で服用を中止しないように指導する

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/column/tessoku/201007/516110.html


SSRIは、血中濃度が急に上がったり、逆に急に下がったりすると、とても危険な薬剤です。
特に危ないのは、「自己判断での休薬」です。

SSRI増量時の注意

フルボキサミンルボックス)やセルトラリンジェイゾロフト)が
比較的投与量に比例して血中濃度が上昇するのに対して
パロキセチンパキシル)は、投与量が増えると臨床用量でも急激に血中濃度が上昇します。



図は、単回投与での血中濃度推移を示すグラフですが
10mg投与の場合と40mg投与の場合では、投与量は4倍なのに
Cmaxは13倍以上にもなっています。


パロキセチンは、約7日間かけて定常状態に達する薬剤です。
7日後のCmaxは、投与初期の約5倍の濃度になります。
添付文書上、他の薬剤では単に「漸増する」と記載されているのに対し
パキシルでは「1週間に10mgずつ増量する」と細かく定められているのは、このためです。

SSRI減量時の注意

SSRIにおいては、減量時にも注意が大切です。
フルボキサミンセルトラリンも、減量時に、不安、焦燥、嘔吐などの症状が
出現することがあると注意が促されていますが
パロキセチンでは、図のように、さらに特別な注意が記載されています。
赤で下線を引いたように、添付文書上、「必ず……指導すること」などと
書かれていますから、患者への説明は義務だと言えます。





服用に伴う不快な症状(副作用など)を患者が訴えた場合でも
「服用をやめてください」と言ってはいけません。
処方医に連絡し、指示を仰ぐべきです。