ルボックス

笹嶋勝「クスリの鉄則」

フルボキサミン : テオフィリンの併用を見逃すな!

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/column/tessoku/201003/514692.html



現在、日本で販売されているSSRI(Selective Serotonin Reuptake Inhibitors)には
ルボックスパキシルジェイゾロフトの3種類があります。
SSRIであれば、どれも似たようなものと考えている薬剤師に遭遇することがありますが
中でもフルボキサミンパロキセチンは、それぞれに異なる特徴があり
特に併用薬との相互作用に注意が必要です。


フルボキサミンは、CYP1A2の阻害作用が非常に強いのが特徴です。
従って、CYP1A2で代謝される薬剤を併用すると、併用した薬剤の血中濃度が上昇します。
特に注意が必要なものの一つが、テオフィリンです。
フルボキサミンを併用すると、テオフィリンのクリアランスが3分の1にまで低下します。
ですから、フルボキサミンを併用する場合には
テオフィリンの投与量を3分の1に減じる必要があります。


フルボキサミンの添付文書では
テオフィリンは「併用注意」の項にしか記載されていないため、見逃されがちですが
テオフィリンによる中毒症状が発現するリスクもありますから
しっかりチェックしなければなりません。


ちなみに、フルボキサミンの添付文書で「併用禁忌」になっているのは
エフピー、メレリル、オーラップ、テルネリンです。


また、フルボキサミンは、弱いながらもCYP2C9の阻害作用もあり
CYP2C9で代謝されるワーファリンとも相互作用があります。
実際、併用によって、INRが著明に上昇した例が数例報告されています。
詳細は、『Warfarin適性使用情報 第3版』(エーザイ)に記載されています。


フルボキサミンは、CYP阻害剤(特にCYP1A2阻害剤)という認識を持って
相互作用をチェックする必要があります。