NSAIDs

笹嶋勝「クスリの鉄則」



鎮痛剤(その3)
代表的なNSAIDsの特徴と注意点 3
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/column/tessoku/201112/523071.html


■ オキシカム系

メロキシカム(モービック

CYP2C9で代謝されるため、併用すると
ワルファリンやSU薬の作用が強く現れる可能性があり、相互作用への注意が必要です。
妊婦に関しては、妊娠の全期間において投与禁忌です。

ロルノキシカム(ロルカム

製剤学的な工夫によって、原薬の錠剤からの溶出が早く
速やかな血中濃度の上昇と体内からの迅速な消失が特徴です。
手術後、外傷後及び抜歯後の消炎・鎮痛にも適応がありますので、歯科でよく用いられます。
添付文書上は、服用は空腹時を避けることが望ましいとされていますが
空腹時には最高血中濃度に達するのが30分前後であり
食後では90分前後と大きな差があります。最高血中濃度も空腹時の方が高くなります。

本剤もCYP2C9で代謝されるので、メロキシカム同様
ワルファリンやSU薬との相互作用に注意が必要です。
妊婦に関しては末期のみ投与禁忌です。


■ 塩基性抗炎症薬

チアラミド塩酸塩(ソランタール)

塩基性のNSAIDsはアスピリン喘息を起こしにくいと言われており
従来、添付文書上禁忌であるにも関わらず良く処方されました。
時々、発熱時頓服で処方されることがありますが
解熱作用はありませんから、その場合は疑義照会が必要です。
妊婦禁忌ではありません。


■ コキシブ系

セレコキシブ(セレコックス)

警告にも記載されている通り、血栓症の発症リスクがあります。
ジクロフェナクと同等に強力な鎮痛作用を持つと言われます。
CYP2C9で代謝されるので、ワルファリンや、添付文書には記載がありませんがSU薬も
併用により作用が増強される可能性があります。
アスピリン喘息は引き起こさないとされ
喘息予防・管理ガイドラインでもアスピリン喘息を引き起こさないと明記されています
妊娠末期のみ禁忌です。


■ その他

ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液(ノイロトロピン

ウサギにワクシニアウイルスを接種すると、ウサギは炎症を起こし痛みを感じます。
そして、炎症を起こしている場所には、炎症を抑える物質ができるはず
という考えで抽出・精製された薬剤です。注射剤もあり、歴史の古い薬剤ですが
構造式も薬理作用も未だにはっきりは解明されていません。
速効性はなく、継続服用しているうちに鎮痛作用が現れてきます。
中止して初めて鎮痛効果があったことに気づくといった場合も多いようです。
アスピリン喘息も妊婦も禁忌になっていません。
錠剤の粉砕は、においがきついので避けた方が無難でしょう。
余談ですが、本剤の刻印印字は「Z111」なのですが、横にすると「NE」に見えます。
看護師から鑑別の依頼を受けた際に、この勘違いをしているケースに何度か遭遇しました。