カルシウム拮抗薬

笹嶋勝「クスリの鉄則」



カルシウム拮抗薬(2)
Ca拮抗薬の副作用・相互作用と適応外
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/column/tessoku/201107/520783.html


■相互作用

◆CYP3A4に関連する相互作用
 カルシウム拮抗薬は、グレープフルーツジュースとの相互作用が有名ですが
特に注意が必要なのは、ニソルジピン(バイミカード他)です。
AUCが3倍以上になる場合がありますので、併用を確実に避ける必要があります。

添付文書上、ニソルジピンでは
グレープフルーツジュース飲用中止4日目からフェロジピンを服用するように」
と厳格に記載されています。

◆P糖蛋白に関連する相互作用
ワソランはP糖蛋白阻害作用を持つので、ジゴキシンとの併用に注意が必要です。
ベラパミルの新規併用により、ジゴキシン血中濃度が3倍以上に上昇した例など
高度な相互作用が現れた事例の報告もあります。

■適応外使用の例
ニフェジピンは、食道アカラシアの治療に適応外使用されることがあります。
食道アカラシアとは、下部食道括約筋(lower esophageal sphincter:LES)の
弛緩不全や食道の運動障害により、胃にスムーズに食物が送られなくなる疾患です。
消化器内科から、食前服用で処方されていたら、この疾患に処方されている可能性が大です。
このほか、まれですが、高山に行く場合の肺水腫予防に用いられることもあります。
ワソランは、片頭痛発症予防に用いられます。
ちなみに、片頭痛予防に適応を持つミグシスもカルシウム拮抗薬です。