ニコチネル

禁煙補助剤と相互作用を起こす薬剤
http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/di/diquiz/ より一部改変

日経DIクイズ 服薬指導・実践篇 6

日経DIクイズ 服薬指導・実践篇 6


◆Question

処方せん
ニコチネルTTS30
 1日1枚 最初の4週間


禁煙開始後、作用が増強してしまう薬剤は次のうちどれか。
テノーミン(一般名:アテノロール、β遮断剤)
インデラル(一般名:塩酸プロプラノロール、β遮断剤)

解説

ニコチンは、血中コルチゾールやカテコラミンの分泌を増加させることから
アドレナリンの作動性あるいは遮断性のある薬剤に影響を与えることが知られている。
β刺激剤などのアドレナリン作動剤は、ニコチンにより作用が増強され
α遮断剤などのアドレナリン遮断剤はその作用が減弱される。
さらに、テオフィリン(商品名:テオドールほか)や
塩酸プロプラノロール(商品名:インデラルほか)など
チトクロームP450 1A2(CYP1A2)を誘導する薬剤を服用していた患者が禁煙すると
血中濃度が上昇し副作用を生じる恐れがある。
これは、たばこ煙に含まれる脂溶性芳香族炭化水素などにより
高まっていたCYP1A2の活性が、禁煙により低下するためだと考えられている。