http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/di/diquiz/ より一部改変
◆Question
爪白癬のパルス療法のためイトリゾールを処方された男性
「10日前にそちらでいただいたイトリゾールを指示された通り、1週間で飲み終えました。
ハルシオンを飲みたいのですが、イトリゾールとは一緒に飲まないよう説明されました。
でも、もうイトリゾールは飲んでいないので、今夜はハルシオンを飲んでも大丈夫ですか?」
《処方せん》
イトリゾールカプセル50 8カプセル
1日2回 朝夕食後 7日分
※この患者には、内科からハルシオンが処方されている
服薬指導
イトリゾールが体の中からなくなるまで少なくとも数日はかかることがわかっています。
念のため、最後の服用が終わって3週間経過するまではハルシオンの服用を控えるのが安全です。
今後も睡眠薬が必要になるようでしたら、薬の変更を先生に相談してみてはいかがでしょうか。
解説
イトリゾールによるパルス療法の休薬期間中(服用終了日から21日間経過するまで)は
ハルシオンを服用すべきではない。
爪白癬のパルス療法とは、イトラコナゾール1回200mgを1日2回1週間経口投与した後
3週間休薬することを3回繰り返す治療法のことである。
イトラコナゾールはCYP3A4を特異的に阻害するため
CYP3A4により代謝される薬物との併用に十分注意する必要がある。
ハルシオンも主にCYP3A4で代謝されるため、イトラコナゾールとの併用は禁忌となっている。
両者の併用によりトリアゾラムのAUCが約27倍
最高血中濃度(Cmax)が約3倍に増加したと報告されている。
イトラコナゾールとの併用が禁忌となっているそのほかの薬剤として
リポバス、カルブロック、レビトラなどがある。