足が冷えて寝付けない

足が冷えて寝付けない
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Q.両足のふくらはぎから爪先にかけて痛みを感じるほど冷えて寝付けません。
靴下をはいて寝るなどしていますが改善しません。症状は年中あります。
検査では血管に異常はないと言われました。原因や対処法を教えて下さい。(72歳男性)


Answer
活動量増やし筋肉の衰え防ぐ
新畑豊先生 国立長寿医療研究センター脳機能診療部長(愛知県大府市


足先は心臓から最も遠く、冷えやすい場所です。
一般に、高齢になると動脈硬化が進み、
血行不全を起こしやすくなり、冷えにつながることがあります。
ひどい時は長時間歩いた後に筋肉が酸欠を起こして足がつったり、
足先の爪や皮膚の色が青ざめたりするなどの症状が出ます。


動脈硬化以外の特殊な要因として、血管の炎症に伴う血流障害や、
手足の細い動脈の収縮によって起きる「レイノー症候群」も考えられます。


血行障害は、喫煙で症状が悪化します。
たばこを吸っているのであればやめる方がいいでしょう。


また、甲状腺の機能低下などで代謝が悪くなったり、
筋肉量の減少や活動量の低下で体の作る熱量が減ったりして、
足の冷えにつながることもあります。


このほか、末梢神経の病気や、
腰椎の変形などに伴う神経障害が原因として隠れている場合もあります。
ピリピリ、ビリビリという感覚異常が出ます。


血行や代謝の問題は循環器科、血管外科、内科などで健康状態を調べます。
神経系の問題は神経内科で末梢神経の伝達状態を調べ、
腰椎の問題は整形外科でMRIによる検査をします。


質問者の場合、明らかな血行障害の症状は出ていないようです。
足のつりやしびれがなければ、日常の活動量を上げ、
筋肉の衰えを防ぐよう心がけるのがよいでしょう。
散歩などで運動量を増やすと、症状改善につながります。
(2015年3月22日 読売新聞)