暑い季節はこむら返りに注意 カギは血行、足に枕も
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筋肉の繊維の中には、
伸びすぎたり縮みすぎたりするのを防ぐセンサーがある。
「この働きがおかしくなって激しく収縮することで、こむら返りが起こる」
と東京有明医療大学の川嶋朗教授は説明する。
センサーの働きが悪くなる原因の一つは血行不良。
血流が悪く十分な栄養分が届かないとセンサーが機能しにくくなる。
就寝中に起こりがちなパターンだ。
また、スポーツなどで大量に汗をかき脱水状態になることも要注意。
CaやMgなどのミネラルが
センサーによる神経伝達を円滑にしている。
汗をかくと水分とともにミネラルが排出されやすく、
センサーが働きにくくなる。
予防法は適度な運動をして筋肉の血行を良くすること。
運動後や眠る前にはストレッチをして、ふくらはぎの筋肉をよく伸ばす。
また、脱水症状にならないように
スポーツドリンクなどで水分を十分にとり、Ca・Mgもしっかり補う。
血行不良で就寝中にこむら返りを起こしやすい人は
寝る前に入浴すると予防できる。
「40度以下のぬるめの風呂に入ると
副交感神経が優位になって血管が拡張し、血行が良くなる」(川嶋教授)。
また、ぬるければ大量に汗をかかないので脱水症状を防ぐこともできる。
芍薬甘草湯がよく効く。川嶋教授によると
「のんで数分で効くので起きたときのんでもいいし、
寝る前にのんでおくと睡眠中の予防になる」という。
ときには他の疾病が原因でこむら返りが起こることもある。
特に多いのは、ふくらはぎの静脈にコブができる下肢静脈瘤だ。
静脈瘤ができると血行が悪くなり、
こむら返りを起こしやすくなると推測されている。
こむら返りを起こす病気には
脳血管障害、糖尿病、腎臓病、肝硬変、椎間板ヘルニアなどもある。
見分け方は「他の症状」があるかに注意する。
血糖値が高ければ糖尿病、
腰痛があれば椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症の可能性がある。
手足がしびれる、ろれつが回らないなどの症状があれば
脳血管障害の疑いもある。