熱中症対策

水の一気飲みはダメ…間違えないで、熱中症対策
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK2301S_T20C13A7000000/


【1】 〜 意識を失って倒れるのが熱中症だ 〜

→ ウソ


熱中症というと、
意識がもうろうとして失神するようなイメージがあるが、症状はそれだけではない。
熱中症とは、高温の環境にさらされる、
または体の中で熱をつくり出すような条件の下で
暑さによって起こるさまざまな不調の総称。
めまい、立ちくらみや頭痛、吐き気などの症状だけだと、
かぜと勘違いしてしまう人も。
熱中症の症状があるのに、意外に自覚していない人が多いのだ。

【2】 〜 筋肉痛、こむら返りも熱中症の症状だ 〜

→ ホント


体内の塩分やミネラルが汗として排出され、不足した結果、
筋肉痛やこむら返りが起こることがある。
これらは軽い熱中症の症状の一つで見過ごされやすい。
「最近、足がつりやすくなった」と思ったら、塩分・ミネラルの補給を心がけよう。

【3】 〜 夜になれば熱中症は起こらない 〜

→ ウソ


気温がピークになる日中を乗り切り、夜になれば気温も下がるので油断しがちだが、
熱中症はじわじわと進行するため、蒸し暑い環境で過ごした後、
数時間経ってから症状が現れることもある。
1日中、外回りの営業を行っていた女性が夜になって
「頭痛と吐き気がひどく水分がとれない」と救急車で運ばれることもあるので要注意。

【4】 〜 症状が出てから水分をとるのでは遅い 〜

→ ホント


 猛暑の中で1時間も活動すれば、大量の汗をかいて
体から簡単に1リットル以上の水分が失われる。
「のどが渇いた」と感じるのは、すでに体の水分が不足しているサイン。
のどが渇いていなくても、こまめに水分を補給することが大切だ。
また、熱中症を発症したときに水分をとるのも重要だが、
発症してからでは吐き気などのために自分で水分をとれないこともある。

【6】 〜 熱中症は室内でも起こる 〜

→ ホント


「外に出なければ大丈夫」と思いがちだが、
スポーツや炎天下での労働を除けば日常生活では室内で起こることが半数以上。
特に料理で火を使うキッチンなどは局所的に室温が上がりやすい。
また、さほど室温が高くなくても、高齢者や病気がちの人は
発汗を調節する機能がうまくはたらかなければ、熱が体内にこもって熱中症になる。

【7】 〜 暑い日は水をとにかくたくさん飲めばいい 〜

→ ウソ


 水分のとり方も工夫したい。
一気に大量にとると血中の塩分濃度が薄まり、
尿も多く出てかえって脱水になりやすいので、
水分は20〜30分おきに少しずつこまめにとるのが基本。
汗を大量にかいたときは真水より塩分の含まれた飲料で、失った塩分を補おう。

【8】 〜 ビールで水分補給できる 〜

→ ウソ


アルコールは利尿作用があるため、
飲んでも尿として排出され、水分補給にはならない。
かえって脱水がすすみ、熱中症のリスクが高まるので、飲み過ぎは避けよう。


【 熱中症の症状と重症度分類 】

「分類:I度」 症状:めまい・失神、筋肉痛・筋肉の硬直、大量の発汗

「分類:II度」 症状:頭痛・気分の不快・吐き気・嘔吐・倦怠感・虚脱感

「分類:III度」 症状:意識障害・痙攣・手足の運動障害、高体温

出典:環境省熱中症環境保健マニュアル


この人に聞きました
三宅康史先生 昭和大学病院救急救命センター長、昭和大学医学部救急医学講座教授。