こむら返り

こむら返り、よく起こる人ご用心 病気や薬が原因のケースも
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO43707580T10C12A7EL1P01/



運動時や睡眠中に足のふくらはぎが強い痛みとともに痙攣するこむら返り。
原因は様々だが、汗をかく夏場は水分不足などで起きやすいといわれる。
頻繁に起こり長期間続くようなら、病気などが原因の可能性もある。


考えられる原因は非常に多い。
日ごろ運動不足の人が急に運動した場合や脱水状態、熱中症の際にもみられる。
筋肉にかかわるナトリウム、カリウムなど電解質のバランスの崩れも原因になりやすい。
このほか、足が冷えたときや妊娠中、病気では腰椎の疾患
糖尿病、肝硬変、腎不全などで起こるケースもある。


下肢静脈瘤はこむら返りを起こす病気の一つ。
両国あしのクリニックの工藤敏文医師は「ありふれた病気で、高齢者に多い。
患者は女性が男性の2倍以上だ」と説明する。
この病気は足の静脈弁が壊れ、血液が逆流して血管内にたまる。
血管が網の目状に浮き出るタイプと、ぼこぼことこぶ状に膨らむタイプがある。
こぶ状タイプでは、こむら返り、足が疲れる、だるいなどの症状が出る場合がある。
これはこぶ状に見えなくても表れることがある。
「症状が頻繁で、何カ月も続く場合は
血管外科や下肢静脈瘤の専門医を受診してほしい。超音波検査ですぐにわかる」
命にかかわる病気ではないが、自然に治ることもない。
レーザー治療なら切開せず約30分で済み、日帰りできる。
昨年、健康保険の適用になった。


国立精神・神経医療研究センターの三島和夫・精神生理研究部長によると
米国の調査では睡眠関連のこむら返りが2カ月に1回以上ある人は60歳以上で3人に1人。
80歳以上では2人に1人に増える。
毎日のように起こる人は60歳以上で6〜8%といわれる。





治療に漢方薬を使うケースもある。代表的なのは芍薬甘草湯で
服用すると「通常は2、3分で、早い人は1分以内で治まる。
睡眠時にこむら返りを起こしやすい人は、寝るときに枕元に置いておくとよい」
北里大学東洋医学総合研究所の花輪寿彦所長は説明する。


この薬は妊娠中でも使え、ほとんどの人は問題なく服用できる。
ただし飲み続けると、まれに足のむくみ、血圧上昇
血中カリウムの低下などが起きる場合もあるので注意が必要だ。
このほか、八味地黄丸は高齢者のこむら返りに適しているという。
「どのようなこむら返りかによって、使い分けることもできる」と花輪所長は話している。
日本経済新聞夕刊2012年7月13日付]