リリカ

糖尿病の痛み、薬で緩和 血糖値の管理はしっかりと 放置すると命の危険
http://apital.asahi.com/article/iryou/2014022500004.html



糖尿病に伴う代表的な症状の糖尿病神経障害。
血液の流れが悪くなり、しびれや痛みが起きる。
近年、症状を和らげる薬が使えるようになった。
ほかの症状より早く現れることが多く、
「重症化のサイン」とみて血糖値管理を徹底する重要性が唱えられている。


東京都の大島さん(71)は、糖尿病と診断されて20年近くたつ。
長く苦しめられているのが、足のしびれや痛みだ。
焼けた針で刺されたような痛みに、突然襲われる。
左足かと思うと翌日は右足。
足の甲、指先、足の裏と場所もその時々で異なる。夜も眠れなくなる。


糖尿病神経障害は、高血糖によって細い血管の流れが妨げられ、
神経に酸素や栄養が十分に行き届かなくなることなどが原因で起きる。
「糖尿病のピリピリ」と表現されることもある。


その痛みが和らいできたのは半年ほど前。
通院先の国立国際医療研究センター病院(東京都新宿区)で、
医師から鎮痛薬のリリカを勧められ、飲み始めてからだ。


リリカは、痛みを伝える脊髄内の物質が放出されるのを抑える。
2010年10月、糖尿病神経障害にも公的医療保険が使えるようになった。


大島さんは「眠れるようになり、気分がかなり楽になりました」と喜ぶ。
ただ、痛みは完全に消えたわけではなく、時折、見舞われる。
それでも以前に比べれば、「雲泥の差」という。


この症状には、リリカに加えて、
SNRIのサインバルタも保険が12年2月に使えるようになった。


和歌山県医大病院紀北分院の佐々木秀行教授(内科)は
「有効な薬がこれまで少なく、積極的な治療ができなかった。
選択肢が増えた意味は大きい」と語る。


ただし、二つの薬には眠気やめまいなどの副作用がある。
少量から始めるのが原則で、転びやすい高齢者では特に注意がいるという。