不眠の原因「むずむず脚症候群」 新薬で症状改善
正しく診断されることが条件
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO49849250R21C12A2EL1P01/
「むずむず脚症候群」
中高年に多く、不眠の原因となる病気だ。
発症の仕組みはよく分かっておらず、むずむずするという感覚以外に
「ざわざわする」「虫がはうような感じがする」と訴える患者もいる。
ここ数年で治療薬が相次ぎ登場しており
正しく診断されれば症状を改善できるケースが多いという。
この病気で生じる脚の不快感の主な特徴は
(1) 脚を動かしたくてたまらなくなる衝動がある
(2) 休んでいるときやじっとしているときに症状が出る
(3) 脚を動かすと軽減する
(4) 夜間や夕方に起こったり悪化したりする――の4点だ。
「むずむず」のほかに、「ざわざわする」「虫がはうような感じ」「熱い」
「重くてだるい」などと説明する人が多いが、うまく言い表せない患者もいるという。
また、睡眠中に脚がぴくぴくと動く「周期性四肢運動障害」を伴うケースも多い。
脚だけでなく、腕にも症状が出る人もある。
妊婦や貧血の症状のある人、人工透析患者などもリスクが高い。
また、この病気の家族がいるかどうかも発症の目安になる。
国内患者は推定約250万人。
関西電力病院の睡眠関連疾患センターの立花直子センター長は
「この病気ではない患者に安易な治療がなされる場合がある」と指摘する。
服用する量はパーキンソン病よりも少なく副作用も出にくいが
別の病気の患者は適切な治療が遅れてしまうとの考えに基づく発言だ。
立花センター長が重視するのは鉄分の欠乏。
「鉄分を補充する薬を投与すると症状が改善する例も多い」と話す。
軽症なら、薬に頼らず生活改善で様子をみるケースもある。
飲酒や喫煙、コーヒーなどを控え、鉄分の多い食品をとる。
寝る前に脚をマッサージしたり、やや遅めに床に就いたりするのも効果があるという。