翼状片

《医療相談》翼状片 回答・大阪大学眼科教授 前田直之先生
http://www.asahi.com/health/doushimashita/TKY201108040236.html



63歳女性。
右目の黒目に白目が入り込んでいるのに気付きました。
眼科で「翼状片」と診断されました。手術しても再発することが多いといわれ
経過観察になりましたが、最近、症状が進んできたようです。
進行を止める方法や日頃の注意点はありますか。

Q 黒目に白目が侵入するとは、どんな症状ですか。

A 実際は白目ではなく、目の表面にある結膜と呼ばれる薄い膜です。
血管があるため赤っぽい白で、鼻側から伸びてきます。
黒目まで達した時に気付くケースがほとんどで
見た目だけでなく、異物感で目がごろごろします。
手術で切り取るしかありませんが、悪性のものではないので
本人が困らない場合は様子を見ています。

Q 進行するとどうなりますか。

A 角膜が引っ張られてひずみ、乱視が強くなります。
瞳が完全に覆われると見えなくなります。
重症だと入院することもありますが、基本的に手術は数十分で、日帰りが可能です。
白内障などの別の手術と同時でもかまいません。

Q 再発することが多いのでしょうか。

A 結膜は切ってもまた伸びてくるので、以前は3〜5割が半年ほどで再発していました。
ただ、手術後の進行を抑える薬が登場し、最近は再発は減っています。
上下の結膜を引っ張って縫い合わせる手術や
出産した妊婦から提供された羊膜を移植する方法もあります。
現在、大阪大病院での再発率は1割以下です。

Q 日常生活での予防法はありますか。

A 翼状片の原因は紫外線とされています。
太陽の光が真横から入ってくると、角膜がレンズになって、虫眼鏡のように
黒目の内側のあたりの組織にダメージを与えるのではないかとみられています。
UVカットのメガネやコンタクトレンズ
耳のあたりまで覆うスポーツタイプのサングラスが有効です。