扁桃炎

《医療相談》扁桃炎が治まらない
 回答・大塚康司先生 東京医科大病院耳鼻咽喉科准教授
http://www.asahi.com/health/doushimashita/TKY201209270293.html



69歳女性。
約3年前にインフルエンザにかかってから、扁桃炎が治まりません。
扁桃の表面に直径2ミリくらいの白い塊が付いていて
違和感があり、取ると嫌なにおいがします。
耳鼻咽喉科で「扁桃を取らなければ治らない」と言われましたが
手術が必要でしょうか。


 Q 扁桃炎とはどんな病気ですか。


 A のどの奥の両側にあるアーモンドのような形をした口蓋扁桃
一般に扁桃と呼んでいます。
扁桃は細菌やウイルスを攻撃して体を守る働きをしています。
常に細菌などにさらされていますが、疲れがたまったり抵抗力が落ちたりしていると
炎症が起こることがあります。これが扁桃炎です。
のどの痛みや高熱を伴うことがあります。


 Q 相談者が気にしている「白い塊」とは何ですか。


 A 扁桃の表面にはくぼみがあって、細菌やウイルスの死骸が固まってたまり
白い膿の塊になることがあります。
特に症状がなければ放っておいても問題ありませんが
炎症を起こしている場合には吸引器で取ったり、生理食塩水で洗浄したりします。


 Q ほかの治療法は。


 A 痛みや炎症があれば、まずは抗生物質で治療します。
扁桃炎を放置すると、まれに腎臓や皮膚の病気につながることがあります。
一般的な目安として、炎症による高熱を年に4回以上繰り返している
「慢性扁桃炎」の場合、手術を勧めます。
全身麻酔による約1時間の手術で、両方の扁桃を摘出します。
手術後は出血のリスクもあるので、1週間ほど入院します。
治療費は入院費を含め、当院では3割負担で約13万円です。
いったん扁桃を取ってしまえば、症状は改善します。


 Q 扁桃を取った後、免疫が弱まりませんか。


 A 扁桃は免疫の働きが発達していない乳幼児では重要な役割を果たしています。
ただ、小学生くらいになれば全身のほかの免疫機能が発達するので
扁桃を取っても問題ないと考えられています。