Arch Intern Med誌から
バレニクリンを禁煙予定日の4週前から投与すると成功率が高まる
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/etc/201105/519692.html
バレニクリンを使って禁煙を目指す喫煙者には
禁煙予定日の1週間前からこの薬剤が投与される。
英London大学のPeter Hajek氏らは
禁煙開始の4週間前に同薬の使用を開始する
、禁煙日から12週後の禁煙成功率が有意に高くなることを明らかにした。
論文は、Arch Intern Med誌2011年4月25日号に掲載された。
ロンドンの禁煙支援クリニック(1施設)の
ボランティア募集に応じた18歳以上の喫煙者101人を登録し
バレニクリンを禁煙予定日の4週間前から開始する群
(早期開始群、53人、平均年齢45.9歳)、
または禁煙予定日の4週間前から偽薬を3週間投与し
その後(禁煙開始1週間前から)バレニクリンを開始する群
(通常群、48人、平均年齢45.3歳)のいずれかに無作為に割り付けた。
投与開始から3週時点の比較において
早期開始群では、通常群に比べ、喫煙量が少なく
呼気一酸化炭素濃度が低く、コチニン濃度も低かった。
早期開始群では、コチニン濃度が50%超減少した患者が36.7%いたが
偽薬群では11.4%にとどまった。
加えて、早期開始群では
喫煙自体の楽しさと喫煙感覚の楽しさが有意に減少していた。
喫煙衝動の強さの変化も有意に大きかった。
全体として、禁煙4週間前からのバレニクリン投与の忍容性は高かった。
当初3週間は、早期開始群に悪心経験者が多かったが
通常群がバレニクリンを使用するようになると、両群間の差は有意でなくなった。
バレニクリン投与期間全体では、1回以上悪心を感じた患者の割合は
早期開始群が58.5%、通常群が47.9%だった。
禁煙予定日以降、12週の間に一度も喫煙しなかった患者は
早期開始群35.8%、通常群14.6%。
早期開始群におけるこの効果は、投与開始から3週時点(禁煙開始1週間前)で
コチニン濃度が50%超減少していたグループで特に高かった。
50%超低下していた患者の12週間禁煙成功率は66.7%
減少が50%以下だった患者では22.6%。
なお、追跡期間中に喫煙本数が5本未満というRussell基準に基づく禁煙を
12週後まで継続できていた患者の割合も
早期開始群47.2%、通常群20.8%と有意差を示した。
得られた結果は、禁煙予定日1週間前からの投与では
この薬剤の効果が十分に引き出せていない可能性を示した。
Use of Varenicline for 4 Weeks Before Quitting Smoking:
Decrease in Ad Lib Smoking and Increase in Smoking Cessation Rates
http://archinte.ama-assn.org/cgi/content/short/171/8/770