テオフィリン × アロプリノール 

喘息患者で血中尿酸値が上昇した理由

http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/di/diquiz/ より一部改変

◆Question

喘息の治療で子供のころから通院している 28歳女性


今回から尿酸を下げるお薬を飲むことになりました。
喘息はだいぶ安定しているのですが、1カ月ほど前の血液検査で
尿酸値が高いことがわかりました。その時は先生に
「ビールや肉類を控えるように」と言われましたが、心当たりはありません。
それで今日、もう一度検査をしたら、まだ高くて
「喘息のお薬の影響かもしれない」と言われました。


テオドール錠100 1錠 朝食後 14日分
ユニフィル錠200 1錠 就寝前 14日分
ザイロリック錠100 2錠 朝夕食後 14日分
メプチンエアー10μg 1本 発作時 1回2吸入

◆服薬指導

テオフィリンには尿酸値を上げるという副作用があります
今回はザイロリックが追加されましたが
ザイロリックはテオフィリンの作用を増強するので、テオフィリンを減量します。

◆解説

喘息患者に、高尿酸血症を合併する例が少なくないことは古くから知られている。
原因は、喘息患者への使用頻度が高いテオフィリン製剤の副作用であることが判明した。
テオフィリンを服用すると、プリン体から尿酸への変換が亢進し
その結果、尿酸産生が亢進して、血中尿酸濃度が上昇するのである。
しかし、具体的に、どのような機序で尿酸産生が亢進するのかは不明である。


テオフィリン服用者で血中尿酸値上昇が認められた場合には
同剤を休薬することが理想だが、治療上の必要等からそれが不可能な場合には
高尿酸血症治療薬のアロプリノールを併用するのが一般的である。


ただし、テオフィリンとアロプリノールを併用すると、テオフィリンの血中濃度が上昇する。
このため、テオフィリンとアロプリノールを併用する場合には、テオフィリンの減量が行われる。