リスモダン、ノルペース

笹嶋勝「クスリの鉄則」
リスモダン、ノルペース : 初回は腎機能を必ず確認せよ

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/column/tessoku/201001/513817.html


不整脈薬は、血中濃度をモニタリングしながら使用する薬剤が非常に多く存在します。
また、腎排泄の薬剤が多く、常用量の処方でも過量投与となってしまうことがあります。


リスモダン、ノルペース(一般名:ジソピラミド)も、その一つ。
常用量であっても、腎機能が低下している患者さんだと
副作用の低血糖が起こってしまうことがあります。


リスモダンを服用していた患者さんで、血糖値が17mg/dLくらいにまで下がり
救急車で運ばれてきたというケースを経験しました。
リスモダンに関しては低血糖だけでなく
血中濃度が上昇すると、抗コリン作用が強く表れることにも注意しなければなりません。


こうした副作用発現を防ぐため、初回は腎機能を確認することが肝心です。
腎機能低下のある患者さんに投与する場合には投与量を減らします。
腎機能がかなり低下した患者さんでは、3分の1程度にまで減らすこともあります。
徐放剤のリスモダンRが、透析患者に禁忌とされているのは、減量のしようがないからです。


なお、類薬のシベノール(一般名:シベンゾリンコハク酸塩)は
さらに腎機能が低下した患者さんでの使用に注意が必要な薬剤です。
こちらも透析患者には禁忌とされています。