降圧剤で透析予防

腎機能改善:降圧剤で透析予防の可能性 京大チーム初確認
http://mainichi.jp/select/news/20130105k0000m040116000c.html





高血圧で腎臓の機能が悪い慢性腎臓病(CKD)患者に
降圧剤を3年間投与して正常な血圧に戻したところ
腎機能が改善したことが京都大を中心とするチームの臨床研究で分かった。
低下した腎機能が、血圧を下げて改善することが確認されたのは初めて。
腎機能悪化で透析治療に陥るのを防ぐ治療法につながる可能性がある。


CKD患者は近年、高齢化社会の到来とともに増え、現在では推定約1300万人。
腎機能は「eGFR(推算糸球体ろ過量)」という指標で評価し
数値が低いほど状態が悪く、加齢とともに低下する。
eGFRが体の表面積1.73平方m当たり、毎分60ml未満が3カ月以上続くと
CKDと診断され、一般に15mlを下回ると透析治療が始まる。


チームは、国内の354病院で降圧剤を飲み続けた高血圧患者のうち
eGFR値と血圧の記録がある780人を対象に分析。
投与開始から3年後に血圧が正常に戻ったCKD患者98人では
eGFR値が試験開始時の平均52から同58に上昇し
腎機能が改善していたことが判明した。
改善の理由について、血圧が下がったことで
老廃物のろ過を担う腎臓への負担が軽減されたためとみられる。


木村健二郎・聖マリアンナ医大教授(腎臓・高血圧内科)の話
腎臓は働きが落ちたら回復しないと考えられていただけに、大変意義深い。
さらに長期間降圧剤を使っても、eGFRが下がらず腎機能が維持されるかが課題だ。