梅毒は見逃されやすい

急増する梅毒 原因や感染経路とは?症状・予防・治療法を徹底解説
https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_578.html

梅毒の経過と症状

梅毒は、
症状が現れたり消えたりを繰り返しながら徐々に全身を侵していく感染症です。
症状がいったん消えるため、見逃されやすく、
さらに感染を広げてしまう危険性が大きいといえます。

経過は第1期から第4期に分けられます。
梅毒は感染してすぐには症状が現れません。
感染後、3週間前後で最初の症状が現れてきます
これが第1期で、感染が起きた局所にしこりや潰瘍などが現れます。
第1期の症状は、治療をしなくても数週間で消えてしまいます

感染から3か月ほど経つと新たな症状が現れ、第2期となります。
第2期では、全身に赤い発疹が出たり、
性器や肛門に扁平コンジローマと呼ばれる平らなできものが現れます。
第2期の症状も、治療をしなくても数週間で再び消えます

感染から3年ほど経過すると、新たな症状が現れ、第3期となります。
第3期では、結節やゴム腫と呼ばれる、
ゴムのような柔らかいできものが、皮膚や筋肉、骨などにできます。

さらに進行すると第4期になります。
第4期まで進行すると、血管や神経が侵され、
動脈りゅう、大動脈炎、進行まひ、脊髄ろうなどの深刻な症状が現れ、
日常生活にも支障を来すことがあります。
進行まひは、中枢神経系が侵され、記憶力の低下や性格の変化が起こり、
進行してまひを起こすもので、
脊髄ろうは、脊髄が侵されて痛みや運動失調が起こるものです。

梅毒は見逃されやすい

梅毒は、1990年代から患者数が年間1000人を下回り、
「過去の病気」とされることもありました。
そのため、若い医師では梅毒を診察したことがない人が多く、
発疹などの症状が現れてもすぐに梅毒を疑うのは難しいのが現状です。
また、アトピー性皮膚炎など、
もともと皮膚の病気がある人では、見分けるのが難しい場合があります。