COVID-19後遺症

見えてきたCOVID-19後遺症の実像
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t344/202007/566524.html
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90%近くに何らかの症状

COVID-19後遺症については、最近になって、まとまった症例数の調査結果が報告された。
イタリアのFondazione Policlinico Universitario Agostino Gemelli IRCCS のAngelo Carfi氏らの報告だ
(JAMA誌オンライン版、2020年7月9日)。

イタリアでは、2020年6月3日までにCOVID-19確定例が3万1845人に上った。
そのうち、71.4%は有症患者だった。
一般的な症状は、咳、発熱、呼吸困難、
筋骨格症状(筋肉痛、関節痛、疲労感など)、消化器症状、嗅覚/味覚の消失などだった。
Carfi氏らは、こうした症状がCOVID-19から回復して退院した患者にも見られるのか調査した。

対象は、COVID-19を発症してローマの1施設に入院して治療を受け、
PCR検査によって新型コロナウイルスSARS-CoV-2)陰性が確認されて退院した患者。
著者らの病院では、
COVID-19が回復し退院した患者を対象とする外来診療サービスを4月21日から開始。
WHOの退院基準(3日連続して発熱なし、発熱以外の症状が改善、
24時間間隔を空けて実施した2回の検査がいずれもSARS-CoV-2陰性)
を満たした患者を外来でのフォローアップ対象とした。
今回の調査では、組み入れ時点で再度行ったPCR検査で、陰性が確認できた患者だった。

登録した患者を詳細に診察し、身体計測を行い、
病歴や処方歴、生活習慣、予防接種歴などを把握した。
組み入れ時点では質問票を用いて、
COVID-19と関係する可能性がある症状に関する情報を後ろ向きに収集。
COVID-19の急性期に経験した症状について尋ねたのち、
それらが退院後の受診時点でも持続していたかどうかを明らかにした。

4月21日から5月29日までに、179人を登録。
14人は参加を拒否し、22人はPCR検査の結果が陽性だったため除外して、
最終的に143人が評価対象となった。
平均年齢は56.5歳、女性が37.1%で、18人(12.6%)はICUに入院した経験があった。
77人(53.8%)が酸素療法を受けており、21人(14.7%)は非侵襲的換気を、
7人(4.9%)は機械的換気を受けていた。平均入院期間は13.5日。

症状の評価は、発症から平均60.3日、退院からは平均36.1日の時点で行われた。
その結果、追跡時の評価時点で125人(87.4%)に何らかの症状があった。
症状の数は、1ないし2が46人(32.2%)で、3以上が79人(55.2%)と多かった。
QOLの低下は63人(44.1%)に認められた。

回復後も持続していた症状として最も多かったのは疲労感で、53.1%に認めた。
続いて、呼吸困難が43.4%、関節痛が27.3%、胸痛が21.7%と多かった。