ヤーズ配合錠の死亡症例

関連が疑われる国内初の死亡症例の詳細が明らかに
ヤーズ配合錠について、バイエル薬品が注意喚起
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/trend/201308/532137.html



バイエル薬品は8月7日、月経困難症治療薬
ヤーズ配合錠(一般名ドロスピレノン・エチニルエストラジオール)


死亡例は、20代の女性。喫煙なし。
月経困難症、ざ瘡(にきび)、不規則月経があり、A病院で同薬が処方された。
処方開始2日目に頭痛が発現。6日目にB病院を受診した。
受診時の主訴は、朝からの頭痛、吐き気、動悸。各種検査で問題は見つからなかったが、
貧血がひどく、点滴などの治療を受けた。


処方開始9日目にB病院を再受診。
頭痛を訴えたが、異常所見はなかった。
クロチアゼパムが頓用で処方され、貧血の状態が悪いため婦人科への受診が勧められた。


さらに同日、患者はA病院の処方医を受診し、具合が悪いと訴えた。
嘔気、食欲低下があるものの、バイタルサインは正常。
各種検査で異常は認めなかった。
この時点での同薬の総投与量は7錠。
処方医は内服を中止し、脳外科への受診を勧めた。


患者は同日のうちに、C病院の脳外科を受診。
嘔吐や歩行困難があったが、診察時には明らかな麻痺症状などを認めず、
検査予約をして帰宅した。


しかしその翌日、患者は体動困難になり、
処方開始11日後の朝、ベッドの上で失禁した状態でいるのを母親が発見。
D病院に搬送され、CT検査により脳静脈洞血栓と診断された。
治療が行われたが、処方13日後に死亡した。


同薬は、10年11月に発売
上記の死亡1例を含め、血栓塞栓症を起こした例が87例報告されている(13年6月30日時点)。


今回の報告を受けて、同薬の製造販売元のバイエル薬品は、
(1)下肢の疼痛や浮腫、
(2)突然の息切れ、胸痛、
(3)激しい頭痛、急性視力障害――
などの症状を認めた場合は、直ちに同薬の使用を中止し、
速やかに医師に相談するよう患者に指導することを、医療従事者に求めた。


【関連情報】
「ヤーズ配合錠をより安全にお使いいただくために(血栓塞栓症について)」(バイエル薬品
http://www.info.pmda.go.jp/iyaku_info/file/kigyo_oshirase_201308_1.pdf