加工肉の食べ過ぎで死亡リスク増大

加工肉の食べ過ぎで死亡リスク増大,EPIC研究
欧州45万人を13年追跡
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1303/1303031.html


チューリッヒ大学のSabine Rohrmann氏は
ハムやベーコンなどの加工肉の食べ過ぎが死亡リスクの上昇を招く
とする研究結果をBMC Medicine 2013年3月7日オンライン版に報告した。


Rohrmann氏らは,加工肉に含まれる塩や化学調味料
必要以上の脂肪が健康を損なう可能性を指摘している。


◆加工肉摂取量が50g/日増加するごとに総死亡リスク18%上昇
Rohrmann氏らは
1992〜2000年に欧州10カ国,23施設で登録した健康な住民44万8,568人を対象に
赤身肉(牛肉,豚肉,羊肉,馬肉,ヤギ肉)
加工肉(ハム,ベーコン,ソーセージなど)
白身肉(鶏肉,七面鳥肉,アヒル肉,カモ肉,ウサギ肉など)
の摂取量と死亡率について調査を行った。
追跡期間の中央値は12.7年で
対象者の登録時の年齢は男性40〜70歳,女性は35〜70歳だった。


160g/日以上摂取群においては
赤身肉で1.14(95%CI 1.01〜1.28)
加工肉で1.44(95%CI 1.24〜1.66)といずれも有意に上昇していたが
加工肉の方が上昇の程度が大きかった。
さらに,加工肉では摂取量が50g/日増加するごとに
総死亡の調整後HRは1.18(95%CI 1.11〜1.25)と有意に上昇していた。


◆加工肉の摂取を20g/日以内にとどめると死亡率が3.3%軽減
加工肉が死亡リスクを有意に高めている理由について、Rohrmann氏らは
「加工肉は塩や化学調味料を添加している上
赤身肉よりも飽和脂肪酸コレステロールなどの値が高い。
赤身肉は,調理過程で脂身を取り除くことが多いが
ソーセージなどは50%以上が脂身であることも不思議ではない」と指摘。
今回の研究結果から
「加工肉の摂取を20g/日以内にとどめると,3.3%死亡率が軽減できる」としている。


また,Rohrmann氏らは
「赤身肉や加工肉の摂取が多い群では,野菜や果物の摂取が少ない一方で
喫煙者や喫煙経験者も多く,赤身肉や加工肉をあまり摂取しない群に比べて
食・生活習慣の悪化が見られる」としており
加工肉の摂取を控えるとともに,生活習慣の改善も心がける必要がありそうだ。