パーキンソン病、解明進む 発症前に嗅覚障害や便秘……
http://www.nikkei.com/life/health/article/g=96958A96889DE6E2E1E4E1E1E6E2E3E0E2E6E0E2E3E0979EE382E2E3;p=9694E0E4E3E0E0E2E2EBE1E3E2E3
5〜10%が遺伝
患者は国内約15万人で、50〜70代に多い。
遺伝が関係するとはっきり分かっている「家族性」が全体の5〜10%で
残りの90〜95%は家族に患者がおらず原因が不明の「孤発性」だ。
この病気は運動障害だけが起こるわけではない。
頻尿や尿が出にくくなる排尿障害のほか
立ちくらみが起こる起立性低血圧、うつや認知症、痛みを伴うなど様々なケースもある。
パーキンソン病は全身疾患というのが専門家の共通した認識になっている。
脳内にたんぱく質「αシヌクレイン」が何らかの理由でたまり
この影響でドーパミンを出す神経細胞が死滅し発症するというのが今の主流の考え方。
家族性ではαシヌクレインを作る遺伝子など十数種の原因遺伝子も報告されている。
定義見直しも
国際学会ではパーキンソン病の定義を見直す動きがある。
近年の研究で、パーキンソン病の主な症状の出る数年前から
別の特徴的な症状が表れることが分かってきたからだ。
それは、嗅覚障害と便秘、レム睡眠行動障害の3つ。
嗅覚障害が起こるのは、αシヌクレインたんぱく質が
脳の嗅覚に関係する部位の「嗅球」に最初にたまりやすいためだ。
また、αシヌクレインが腸管にたまると便秘を招きやすくなる。
レム睡眠行動障害は夢に合わせて大声を出したり手足を動かしたりする症状で
目覚めた後も夢の内容をはっきり覚えているのが特徴だ。
早めに治療すれば、通常の生活を長く保てるようになってきたと専門家は指摘する。
70代で発症し、歩行障害などにとどまる患者なら10年は日常生活を全うできる。